明けましておめでとうございます。
2022年も東京証券取引所が正式に上場承認発表をした会社で、上場間際で延期・中をした上会社が9社ありました。上場承認されるまで、準備会社さんは体制整備等の為に相当の時間(多大な人件費)とお金をつぎ込んで相当の努力をしています。しかし毎年のように上場目前にもかかわらず延期・中止会社が出るのは驚きです。
上場承認発表に至るまでには、主幹事証券会社の審査の途中で断念する会社や東京証券取引所の審査の途中で断念する会社が他にも相当社数あります。理由は何でしょうか。
(主幹事証券の審査中に断念する理由)
①業績の悪化、②内部管理体制の不備、③内部通報、④反社勢力の関与、⑤労務管理の不備、⑥交際費等のガバナンス不足 等々言えば切りがありません。
(東京証券取引所の審査中に断念する理由)
①主幹事証券会社の審査後に追加的に問題が発生、②主幹事証券会社の審査漏れの発覚、③内部通報、④バリエーション、⑤業績の悪化
(東京証券取引所の上場承認発表後に断念する理由)
①バリエーション、②内部通報
上記では外部要因と内部要因があります。業績の悪化については、コロナ発生後など、外部要因で手当てが不可能である場合は仕方ありません。バリエーションについては、事前に証券会社とのすり合わせの方法などを工夫する余地がありそうです。とは言え、直前に外部要因により市況が悪化して悪影響が出る時もありますので、これはある面「運」に左右されますので仕方ありません。
問題は内部要因であり中でも内部通報です。このところ内部通報のタイミングが上場のスケジュールに大きな影響が出ることを認識している方の意図的な行為であるように思えます。すなわち、通報があった場合、審査上は見過ごすことは出来ないことが多く、問題が無いことを調べることになります。その為、切り詰めたスケジュールでは対処する時間が無く延期にならざるを得ない場合があるのです。
内部通報は外部要因でなく「運」のあるなしでもありません。内容はいろいろですが、会社のガバナンスに関するものや、内部管理体制に関するものなどが中心です。未上場会社から上場の為に意識の改革や体制の整備をしますが、その際、この程度なら見過ごすだろうだとか、見逃してくれるだろうと言う部分があると、その部分を指摘される余地が生まれます。対応としては、そもそも、誰に調べられても胸を張って自信をもって間違いの無い会社運営をすることです。過去なら、未上場会社なら許されたことも上場会社には許されないことがあります。今まで以上に「襟を正す」ことが重要です。そして内部の体制を正す事こそが成長の基盤になるようにして行くのです。上場企業としてのレベル感は、絶対基準は無い場合が多いため、それらの感覚も含め学習が大切です。弊社ラルクは、実務指導の中で、これらの感覚も身に着くように支援することが大切であると実感しています。
本年も皆様のお役に立てれるよう「襟を正し」て支援して参りたいと思います。
宜しくご指導の程、お願い致します。
(鈴木)