昨今、中途採用の市場が活性化しており、大手企業からベンチャー企業まで求人数もかなり増加しております。
一方、求人が若手に集中し偏っていたり、内定辞退やミスマッチなどが増えているのも現状です。
そのような状況において、採用の難しさを実感することも多々あります。
人材ビジネスに長く携わる中、これまでも沢山の方のレジメを拝見させていただきました。
はっきり言えることは、書類からは何も分からないということです。
転職歴の多い、少ない、記載された経験だけでは絶対に判断できないことがあります。
それは、人柄、マインド、考え方、など、一人一人の個性やこれまでの苦労や生き方が異なるため、パーソナリティーをいかに重視できるか、その会社のカルチャーとのフィット感をお互いにどこまで確認できるかが重要であると感じます。
無論、経験については、求める側の理由があるため、今足りない所を補うことができることが大前提であると思われます。
ただ、時に経験よりも重視しなければならないことを見落としがちであるため、現実的にミスマッチがなくならないのだと思います。
みせかけの姿、作られた言葉、背伸びした経験などはすべてミスマッチに繋がる要因です。
特に、スタートアップのステージ、成長途上にあるベンチャー企業においては、一人一人の役割りが重く、採用が失敗してしまうと大きなダメージになることもあります。
IPO準備会社等にとりましては、ミスマッチによりIPO準備がストップ、もしくは後退してしまうことにもなりかねません。そこは企業規模に関わらずいえることかもしれません。
候補者の方にとりましても重要な決断になります。転職は人生の岐路であり、特に家族など背負う者がある方には人生の方向性すら変わることになります。
採用に絶対的な正解やテクニックは無いと思います。
お互いのことですが、面接などの短い時間で判断、見極めることの難しさがあります。
だからこそ、経営者やそこに携わる関係者は人材を採用する責任の重さを忘れることなく、どれだけ本音で理解を深められるか、一人一人と真剣に向き合い、意思疎通ができるかが重要であるように思えます。
私も人材ビジネスに長く身を置く立場で、本質を見失うことなく、人材支援を継続していきたく思います。
(丸尾)