明けましておめでとうございます。
年末より今年のIPOの準備及び審査のテーマは何かと考えておりました。
現状の審査の状況等を考えると「健全」がテーマではないでしょうか。
IPOの社数が増加傾向になってきました。関係者の間では今年以降はさらに増えると期待している方が多いようです。
IPO社数が増加している要因の一つは、市場関係者が形式基準及び審査基準の緩和等を通じて上場を促進している効果が大きいからだと思います。
これら基準や実質的な審査方法等の緩和は、長年上場支援を行っている我々からすると考えられないほど緩くなってきていると感じます。
過去、取引所の審査は証券会社の審査よりも厳しい時代がありました。しかし、現在は大手証券の審査の方が厳しくなっていると言えそうです。質問数、審査期間の長さや審査の判断基準も格段に差が出ています。これは、証券会社の審査が厳しいのではなく、取引所の審査との相対比較からです。
では、証券会社の審査がさらに緩和されたらどうなるでしょうか?
IPO社数は今後も増加するでしょう。しかし、一方懸念が生じます。この状態が加速すると、一つの見方として、管理体制が脆弱で正確なタイムリーディスクローズが出来ない会社やコンプライアンス意識の低い会社が上場出来てしまうことになりかねないと言う事です。そうなると、資本市場の信用が失墜し、上場したての新興企業は投資家はじめ世間から非難を浴び、審査制度の弊害が露呈し、市場関係者も大きなダメージを受けることになるかも知れません。失った信用を回復させるのは大変です。
年の初めから縁起でもない事を書いてしまいました。
「健全」な資本市場の育成は、「健全」な準備指導及び審査を行い、「健全」な会社である事の確認なくして実現しませんし長続きしません。
現在が「健全」であることを願うばかりです。
弊社は今年も「健全」な会社の準備指導を通じて、或いは、「健全」な会社になって頂けるように支援し、皆様に慶んで頂けるようにして参りたいと思います。
今年も変わらぬご支援ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。
( 鈴木)