【鈴木】東京、大阪両取引所の市場統合について

本年1月1日に株式会社日本取引所グループが発足しました。今後は両社の各機能の統合が順次行われます。現物市場については7月16日が統合日と定められました。

 

東京証券取引所では「大阪証券取引所との現物市場の統合に伴う関連諸制度の整備について」を公表し、現在パブリックコメントの受付をしています。

弊社が関連しているのは中でもIPO(新規上場)の分野です。

 

今回の制度整備は、第一弾として統合のための制度整備であり、従来の内容を大きく変更する意向は無いと思われます。それは、該当する上場制度の変更箇所の大部分は東京証券取引所の現行制度に合わせるか大阪証券取引所の現行制度を踏襲する内容であり、目新しいものは無いことからも読み取れます。そのため、弊社としては意見を述べるべき要望事項は特に見当たりませんし、この範囲に限ると他からも意見はほとんど出ないでしょう。

 

欲を言えば、説明が不足していると思われる事項があります。

例えば、現行ではマザーズや二部(本則)市場から一部市場に変更する場合の時価総額基準は40億円です。しかし、それ以外の市場から変更する場合は250億円と言う基準です。今の案では現物市場が統合した後もこの制度の変更は無いようです。

これは、両取引所の現行制度の踏襲と言う解釈だと思われますが、市場が統合するのですから、東京証券取引所のマザーズや本則のルールが適用されると勘違いされる可能性の高い事項です。注記等で説明をしておいてもよさそうな感じがします。

 

いずれにしても第一弾は無難に制度整備出来る範囲で行われます。

第2弾も一部の制度変更程度の場合もあり得ると思いますが、問題は統合後の市場区分整備、すなわち、一部市場、ニ部(本則)市場、JASDAQ(スタンダード、グロース)、マザーズと言う市場区分を再編成するかの議論になるのではないかと思います。これは重いです。簡単に変更できるものではありません。

 

紙面の関係で統合に関する制度整備についてはこの程度にしたいと思います。

来月は市場の活性化について少し触れてみたいと思います。これも重たいです。

何せ、取引所だけでは解決するには限りがあると思われますので、、、。

 

 鈴木

 

2024IPO社数(予定を含む)=71*

2023IPO社数(通期)=96*

 

11月1日現在

市場別

2024

(含予定)

2023

(参考)

プライム

スタンダード

グロース

メイン-名

札幌(本則)

ネクスト-名

アンビシャス

3

10

54

1

0

3

1

2

23

66

5

1

1

0

 Qボード 3 1

合計

   75

99

 複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。

 

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2023IPO社数(通期)=96*

2022IPO社数(通期)=91*

 

市場別

2023

2022

(参考)

プライム

スタンダード

グロース

メイン-名

札幌(本則)

ネクスト-名

アンビシャス

2

23

66

5

1

1

0

3※1

142

70※3

2

0

2

1

 Qボード 1 0

合計

   99

92

 複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。

1:東証11社を含みます。

2:東証2部+JQ4社を含みます。

3:マザーズ10社を含みます。

2022IPO社数=91

2021年IPO社数=125社

 

市場別

2022

 

2021

(参考)

プライム

スタンダード

グロース

東証1

2

10

60

1

6

東証2

3

8

マザーズ

10

93

JASDAQ

メイン-名

1

2

16

名証2

0

3

ネクスト-名

セントレックス

2

0

1

Qボード

アンビシャス

0

1

3

合計

92

130

 複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。