今年は記録的な積雪もあり寒い冬が続きましたが、ようやく春が感じられるようになってきました。自宅の前の公園でも河津桜が綺麗に色づいています。
上場企業の人事総務セクションの方々は4月から入社してくる新入社員の受け入れ準備で忙しい時期かも知れません。
一方、IPOを目指すベンチャー企業にとっては、新卒社員を多く受け入れる会社は少数派だと思います。経営者としてはどこにも染まっていない新卒社員をしっかりと育てていきたい想いがあることでしょう。ただ、限られたリソースで結果を出さないといけないベンチャーにとって、新卒の社員を育てている余裕がない、また、応募者も少ない、というのが現実ではないでしょうか。
ところが上場を果たすと状況は変わっていきます。IPOしたことによりその企業の知名度、好感度が上がり、新卒の優秀な学生も採用しやすくなります。
新卒社員が入社してきた際、果たして彼らへの研修制度は整っておられますか?
整っているか整っていないかは別にして、ここでお薦めしたいのが上場準備で整備してきた成果物達の活用です。例えば、ロードショーマテリアル、中期経営計画、業務分掌規程や職務権限規程をはじめとした諸規程、稟議フロー、J-SOXフローチャート、内部監査調書等々。また、Ⅰの部やⅡの部・マザーズ説明資料の中にも新人研修に転用できる項目は多々存在するのではないでしょうか。
既存の役職員の方々の知恵が集約されたこれらの資料を、それぞれの立場で新人に伝えていくカリキュラムを組んであげれば、ライブ感もあり、一般的な研修マテリアルを利用するよりもとても意味があるように思います。新人に教える手前、改めて現状を確認する機会にもなります。
上場準備中の方々も、上場を実現された方々も、上場準備作業のこうした効果も念頭に置かれてはいかがでしょうか。
(加藤)