【黒川】不正の特徴

前回、不正の要因について考えてみましたが、今回は不正の特徴について考えてみたいと思います。

 

不正の特徴の一つとしては、「常習性」があると思われます。

最初は、不正を行う際に発覚を恐れて小さな不正を行いますが、それが発覚しないとわかると続けて不正を継続的に行うようになり、一度不正を行ってしまうと不正を行うことなしにはいられないようになってしまうものです。

その場を凌ぐ目的のもとに、刹那的に行う不正が発覚されないことで何度も不正を行うこととなり常習的になってしまうことになります。

 

また、「エスカレート性」も不正の特徴の一つに挙げられます。

特に粉飾決算については、金額が小さいからやむを得ずその場凌ぎで少額の粉飾を行った場合、たいてい翌期でそれを解消できず更に輪をかけて粉飾を重ねるといった事態になり、毎期ごとに粉飾が多額になっていくことになりかねません。

 

特に、架空売上等による粉飾決算の場合は、債権の回収がなされずに売上に見合う現金が入金されないことが多くあり、一方で利益は実態より過大に計上されその過大な利益に対しての税金を納税しなければならないために、資金繰りが急速に悪化することとなります。最後は、支払不能となって倒産してしまうこととなり、意図せざる結末になるケースが多くあります。冷静になって考えれば、実態がない売上の計上をすれば資金繰りが窮することは容易に想像できそうではありますが、一度粉飾に手を染めるともう止められなくなり、雪だるま式に影響が大きくなっていくこととなります。

一般的に、粉飾決算を行うような会社は、業績が悪化している状況を隠そうとして粉飾をすることが多いと思われますが、逆に粉飾を行うことで資金繰り等の実態は更に悪化し、倒産を早めてしまうことになってしまいます。

 

誘惑に惹かれてわずかにでも不正をしてしまうと気がついたときには、取り返しのつかない状況となってしまうかもしれません。少しの気の迷いがないように意識して気を引き締めていく必要があるのでしょう。

 

黒川)  

 

2024IPO社数(予定を含む)=71*

2023IPO社数(通期)=96*

 

11月1日現在

市場別

2024

(含予定)

2023

(参考)

プライム

スタンダード

グロース

メイン-名

札幌(本則)

ネクスト-名

アンビシャス

3

10

54

1

0

3

1

2

23

66

5

1

1

0

 Qボード 3 1

合計

   75

99

 複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。

 

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2023IPO社数(通期)=96*

2022IPO社数(通期)=91*

 

市場別

2023

2022

(参考)

プライム

スタンダード

グロース

メイン-名

札幌(本則)

ネクスト-名

アンビシャス

2

23

66

5

1

1

0

3※1

142

70※3

2

0

2

1

 Qボード 1 0

合計

   99

92

 複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。

1:東証11社を含みます。

2:東証2部+JQ4社を含みます。

3:マザーズ10社を含みます。

2022IPO社数=91

2021年IPO社数=125社

 

市場別

2022

 

2021

(参考)

プライム

スタンダード

グロース

東証1

2

10

60

1

6

東証2

3

8

マザーズ

10

93

JASDAQ

メイン-名

1

2

16

名証2

0

3

ネクスト-名

セントレックス

2

0

1

Qボード

アンビシャス

0

1

3

合計

92

130

 複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。