申酉(さるとり)騒ぐ。
株式相場には、申年と酉年は相場の動きが激しいと言う格言があるようです。
まだ年が明けて1ヶ月半ほどしか経ちませんが、日経平均ベースでは、1月4日の初日は前年末の終値より215円13銭安い18,818円58銭でスタート後、高値は18,951円12銭、安値に至っては14,865円77銭まで厳しく展開し、まさにここ最近の市場は荒れ模様です。
特に先週からの値動きが激しく、日経平均終値では、先週火曜が前日比▲918円、その翌日は▲372円、祝日明けの金曜も▲760円と実に3営業日で終値が2千円以上も下落したかと思うと、今週月曜は1日で+1,069円と格言通りに市場が騒いでいるようです。
IPOが近づいてきている経営者や大株主にとっては、このような市況だと自社のバリュエーションにどのような影響があるのか読みづらく落ち着かない日々だと思います。
確かに、IPO時の株価は、類似会社の株価が参考にされることが多く、市況の影響を受けない訳ではありません。IPOには様々な利害関係、思惑が存在し、資金使途も含め各社各様の事情があり、そこは簡単に割り切れないところです。一方で、IPOは、ルーキー銘柄としての期待感や市場に放出される株式数の多寡、公募・売出しの割合等も株価に影響しますし、IPOディスカウントによる流動性への配慮、オーバーアロットメントによる緩衝材も考慮されており、多少市況が悪くてもそれほど影響を受けないこともあります。
いずれにしても市場をコントロールすることはできません。市場の動向に一喜一憂するのではなく、フェアなバリュエーションを実現するために、貴社の強みを活かした合理的な経営計画を策定し、その内容と足元の状況を主幹事証券や投資家に適時適切に伝達できる経営基盤を不断の努力で築き上げていくことが大事だと思います。
因みに、日本証券業協会HPの用語集には「株式相場には、「辰巳(たつみ)天井、午(うま)尻下がり、未(ひつじ)辛抱、申酉(さるとり)騒ぐ、戌(いぬ)笑い、亥(い)固まる、子(ね)は繁栄、丑(うし)つまずき、寅(とら)千里を走り、卯(う)跳ねる」という干支にちなんだ格言がある。」との説明がありましたのでご参考まで。
(加藤)