コーポレートガバナンス・コード(以下「コード」)が適用開始となって6月1日で丸一年になります。
コードは上場会社に向けた指針ですので、上場準備会社を拘束するものではありません。しかし、上場会社になれば即座に“Comply or Explain”ですので、上場準備の一環として何らかの対応をしなければならないという点において、上場準備会社に対するコードのインパクトは大きかったと実感しています。
また、特に新興市場を目指す会社は組織が未成熟で、コーポレートガバナンスへの理解も不足していることが多いので、コーポレートガバナンスについて懇切丁寧に説明したコードは、上場準備会社の教科書としても非常に有効です。
国内の新興市場に上場する会社は、基本原則(5つ)のみ対応もしくは説明が必要なので、「詳細に学習して、ゆるめに実践できる」現状は、新興市場の上場会社には非常に「優しい」制度となっています。
ただ、東京証券取引所の場合、たとえばマザーズから本則市場へ市場変更すると基本原則に加え、原則(30)、補充原則(38)も対応もしくは説明が求められます。
したがって常識的に考えれば、新規上場時と比較するとコーポレートガバナンスも変化(進化)することになります。(対応しないでExplainすれば良いという考えもないわけではないですが・・・)
この「コーポレートガバナンスの変化の内容を市場変更審査でどう確認するのか?」という点は、審査対応支援をする立場としては非常に興味があります。
(もっとも、これは市場変更審査の範疇ではないのかも知れませんが・・・)
コーポレートガバナンス・コード適用は2年目に入ります。
現場はまだ手探りの状態が続くと思いますが、1つ1つ実績を積み上げることで、良い実務を作り上げて行くことに貢献できればと考えています。
(原田)