【古川】働き方改革実現会議

 

 政府は、長時間労働の是正や同一労働同一賃金の実現などに向けて9月27日に「働き方改革実現会議」の初会合を開きました。8月に発足した第3次安倍晋三再改造内閣では働き方改革担当相のポストも新設、官邸主導で改革を加速させる考えのようです。「働き方改革実現会議」の中では、正規・非正規労働者の格差是正や、長時間労働問題等について議論がなされていく模様です。

 

 具体的な取り組みとして、政府は長時間労働を是正するため、時間外労働について定めた労基法36条に基づく労使協定(36協定)のあり方を見直し、 労働時間の上限値を設けることなどを検討しており、来年の通常国会以降での法改正を目指しているとの報道がなされています。また現行法でも可能な取り組みとして、36協定により健康に望ましくない長時間労働を設定した事業者に対し、指導を強化するとの方向性も示されています。このように近年、長時間労働に対する政府の取り組みがより一層強化されています。

 

 ここで36協定について簡単におさらいしておきたいと思います。労働基準法では「使用者は労働者に休憩時間を除き1週間に40時間、1日に8時間を超えて労働させてはならない」(32条)と定めています。この法定労働時間を超えて、時間外労働や休日労働をさせる場合には労使協定を締結する必要があります。この労使協定は労基法36条の数字をとって一般に「サブロク協定」と呼ばれています。36協定で延長できる労働時間の上限は1年単位の変形労働時間制を採用している場合を除き1ヶ月で45時間、1年間で360時間となっており、この限度時間を超えて労働時間の延長を行わせた場合は労基法36条違反となります。但し36協定締結の際に「特別条項」を付した場合には36協定締結期間の半分を超えない範囲内で(通常1年で締結するため、その場合は6カ月となります)、労基法による限度時間を超えて時間外労働の延長時間を定めることができます。現行法では特別条項の限度時間は原則無制限となっているため、特別条項で100時間超の制限時間を定めている事業者もあり、長時間労働の温床となっているとの問題点が指摘されています。

 

 こうした政府の取り組みを受けてか、上場審査においても労務問題、特に長時間労働、36協定違反、特別条項超過状況等については審査上の視点が厳しくなっているように感じられます。よくよく考えてみると、労務問題は企業と労働者間の問題だけではなく、一億総活躍社会の実現、少子高齢化問題、介護問題等、人々の生活に広範に影響を与えるテーマということもできます。労務問題は法令上の条文だけでなく、社会的要請の動向によっても判断基準は変化するものであり、法令改正の動向のみでなく、社会情勢の動向にも十分注意を払いながら準備を進めていく必要があると思います。

 

古川

 

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