【鈴木】主幹事証券会社への損害賠償責任訴訟の判決と今後の上場審査

2016年12月20日に株式会社エフオーアイ(以下、F社)の粉飾決算に関して株主が求めた損害賠償責任訴訟の判決が東京地裁でありました。

この事件は2009年11月に東証マザーズに上場した直後に粉飾が発覚し、2010年6月に上場廃止になったのですが、その粉飾の内容は売上高の9割以上が水増しだったと言う想像もできない強烈なものでした。

訴えられたのは、F社の取締役と監査役など元役員、公認会計士、引受証券会社12社、売出し人、東京証券取引所と日本取引所自主規制法人でした。ここでは各被告に対しての根拠法令は割愛致します。

判決での敗訴内容も割愛しますが、元役員と主幹事証券会社は損害賠償責任が認められ、公認会計士は事前に和解をしたことで判決の対象にはなっていないのだと思います。その後、主幹事証券は判決を不服として控訴しているようです。

 

今回の判決については、現在耳にする限りはIPO市場関係者の間ではそれほど話題になっていないように思います。しかし、IPOを希望している会社の支援をしている弊社にとっては主幹事証券会社の損害賠償責任が初めて認められたのは大きな驚きでした。また、日本取引所自主規制法人には賠償責任は否定されたものの、注意義務は必要であるとの認識が示されたと伝えられたことも驚きでした。

 

(判決文を十分見ているわけではありませんので、一部誤りがあるかも知れないことをご了承の上、以下をお読みください。)

本来、会社がまとめた決算が正しく作成されているか金融商品取引法上(別途、会社法対象会社もあり)の監査をし、財務諸表に対して監査報告書(証明)を出すのが監査法人です。とは言え、過度な期待をすることは酷な面があると思います。一方、監査責任のない証券会社に責任が認められたのは特殊な事情があるのだと思います。すなわち、今回の事件は、内部告発文が送られてきたとのことです。取引所や自主規制法人に対して事前に送られていたのかは分かりませんが、上場の直前には主幹事証券会社には送りつけられていたとのことです。ここがポイントではないでしょうか。

 

今後の審査に与える影響について考えると、従来から内部告発があった場合には慎重に取り扱っていましたが、従来以上に厳しく慎重に判断を行うようになるでしょう。と言うか既にその兆候はあります。また、昨今、そもそも上場審査が厳しくなってきていますが、より厳しくなる傾向が強まるでしょう。危惧するのは、証券会社にしても取引所にしても、審査上でクローズアップされたことに対して問題が無いとの裏付けをどこまで取るのかです。事実でない事であっても、それを証明するのは結構難しいケースがあります。その為の調査に時間を掛け過ぎて上場が延期になることや、慎重のあまり答えを出せずにグレーなまま中止になることなど、企業にとっての成長戦略(計画)に狂いが生じてしまっては影響が大きすぎます。新興企業育成の観点からは、伸びる可能性のある会社の芽を摘むことにならないことを望みたいと思います。

 

鈴木

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