新緑の映える季節となりました。大型連休は皆さんどのようにお過ごしになられましたでしょうか。
全国各地に張り巡らされた新幹線を利用して快適に旅行された方も多かったと思います。一方、IPO準備中の会社では、連休返上で奮闘された方も多かったのではないでしょうか。
IPO準備においては、いろいろと新たに対応しないといけない業務が増えますが、これらへの対応にどのくらいの時間がかかるのかを見極めるのはなかなか困難です。そうしますと、人員を増やしたり、外部支援者のアドバイスを受けたりしていても、日常の業務もある中で、なかなか着手できないままにあっという間に時間が過ぎ去っていってしまう。
ここがIPO準備の難しさではないかと思います。
また、IPO準備においては、決算業務の内容も変わってきます。
これまでは顧問税理士さんにお任せであったり、子会社があっても単体の決算だけに対応してさえいれば済んでいたのが、IPO準備となると、正しい決算を早期に開示するべく、内部統制を意識し、会社法のみならず金融商品取引法にも対応して、かつ、連結決算を展開し、詳細な注記開示も求められます。例えてみれば、電線のないローカル線をディーゼル列車でゆっくり運行していた状況から、いきなり新幹線を敷いてこれまでの半分の時間で目的地に到着してくださいといった状況。会社の業態・業容によってはこんな極端な状況となることも起こりえます。
これらの業務もレールが敷かれてしまえば、その上を走ることはそれほど困難ではありませんが、最初にレールを敷くという作業は簡単ではありません。環境アセスメントも必要ですし、建設途上では近隣住民からの反対が出て粘り強い交渉が必要となるかも知れません。トンネルを掘っていると思わぬ障害に突き当たり、進路変更を余儀なくされることもあるかも知れません。
これからIPOを目指そうとされる経営者の方々には、そのような新しい業務負担が待っていることを念頭においた上で、経営幹部の方々や外部支援者と一緒に知恵を出し合って準備を進めて頂ければと思います。もちろん弊社もご縁があれば喜んでお付き合いいたします。
(加藤)