9月28日に衆議院が解散されました。今回の総選挙は「国難突破解散」と名打たれていますが、モリ・カケ疑惑隠し解散とか、安倍政権信認選挙とか様々な解釈をされています。また解散後に民進党が分裂したり、希望の党が設立されたりと1日でめまぐるしく情勢が変わり、投票する側としてもかなり混乱します。
政権の評価という意味でいうと、経済のパフォーマンスも重要な視点となりますが、安倍政権誕生後の経済的な成果を見てみると、以下のような数値となっており、コーポレート・ガバナンス改革等も含め、概ね良好な成果と言えるのではないでしょうか。
・名目GDP成長率
2013年3月期~2017年3月期は1.1~2.6%の間で推移
・有効求人倍率
2017年4月は1.48倍で、43年ぶりの高水準
・日経平均株価
2017年10月17日の終値は21,336円12銭で1996年以来の21,000台回復
上記のような良好な経済指標の影響もあり、新規上場社数は2014年以降80社台から90社台で推移しており2009年の19社を底とした回復トレンドに変化は無いようです。
さて、今回の選挙の大きな争点の一つとして消費税率UPの是非があげられますが、住宅関連や小売業の企業さんからは、2019年10月に予定されている消費税増税の行方が不透明となることもあり、予算の立案が難しいといった声や、上場時期に影響があるのではないかといった疑問も聞かれます。
結論から言うと、消費税増税による一時的な影響については、上場時期に影響を与える可能性は低いと考えられます。但し、消費増税の影響が大きい業種については、上場審査上、申請期の業績進捗や消費増税前後の業績への影響についてより慎重に確認されることが想定されるため、消費増税前後の業績への影響について過去実績を踏まえ合理的な根拠を持って算定しておく必要があります。
一方、開示上は、有価証券届出書の【事業等のリスク】に開示を行い、投資家に対し注意喚起を行うという対応が中心となります。ちなみに2017年の新規上場企業において、消費増税について独立項目として【事業等のリスク】に記載している企業は1社あり、住宅関連事業を中心とする企業でした。また既上場企業においても、住宅関連事業、小売業、調剤薬局事業を展開している企業を中心として消費税に関するリスクを記載している会社は数多くみられます。
などと、つい総選挙についても日々の業務に結びつけてしまいましたが、選挙にはしっかり足をはこぼうと思います。最近は、期日前投票も複数の投票所で投票が可能であったり、投票所も20時まで空いていたりと、利便性も高いため、今回は期日前投票を利用する予定です。
(古川)