【原田】決裁文書を書き換えるなら・・・

3月19日に参議院予算委員会で、森友学園への国有地売却問題についての集中審議が行われました。本件に関しては、財務省が決裁文書の書き換えを認めており、報道では、この書き換えは、国有地売却決定プロセス中の不適切な部分を隠す目的で行われたのではないかと推測されています。

 

決裁文書は、組織の意思決定の内容や根拠を記録として残すためのものですので、決裁文書を事後的に書き換えることは、組織の倫理上、許されることではありません。

ただ、国の行政手続とは事情が異なるものの、上場審査でも「組織の意思決定プロセスの有効性や妥当性」のチェックを受けますので、「決裁文書を書き換えて都合の悪い点を隠せば、上場審査をやり過ごせるか」というのは興味深い問題です。

 

たとえば、不正な目的で決裁文書の書き換えを行うなら、少なくとも以下の準備が必要と思われます。

①問題となる事柄の全体像を調べる。(関係者、モノ・お金の流れ、準拠すべき法律等)

②調査した全体像のうち問題点を確定する。(取引相手の属性、取引条件、法令違反の有無等)

③上記①②の調査結果をもとに修正後の全体像を描く。(取引先名の修正、取引条件を正当化する鑑定書の作成、法的に疑義のある事業活動について説明の変更等)

④修正後の全体像をもとに、関係する社内文書・外部開示資料の洗い出し及び回収・修正検討。(稟議書、議事録、決算書、自社のウェブサイト、役員の個人ブログ等)

⑤その他関連情報の有無の確認(内部通報の内容、監査法人・監査役・内部監査人の監査報告、プレスリリース資料、インタビュー記事、匿名掲示板への書き込み等)

 

上記の作業は、社長や管理担当役員など限られたメンバーで行う必要があるうえ、どれだけ準備をして決裁文書を書き換えても、絶対にばれないという保証はありません。

そう考えると、人手不足の上場準備会社が、本業を脇に置いて取り組む価値があるとはいえません。さらにいうと、①〜⑤の作業をきちんとこなせる会社なら、その能力を再発防止策の実施等、経営の改善に使うべきでしょう。

決裁文書の書き換えは、倫理の面から許されないだけでなく、技術的に見ても割に合わない作業だと思います。

 

原田

サイト内検索

メンバーブログ

過去分はメンバー紹介ページの各メンバーのブログ欄をご参照ください。

株式会社ラルク

 

【ご注意ください】

当社の社名を名乗った振込詐欺行為が確認されております。当社が個人に対して振込請求を行うことは、有料サービスの提供等、お客様からのお申込みやご依頼に基づくものを除きございませんので、ご注意願います。 

(ご参考窓口)

 警察庁

 金融庁

 日本証券業協会

 日本弁護士連合会

 国民生活センター

 東京都消費生活総合センター

また、現在、世界中で「コールド・コーリング(Cold Calling)」と呼ばれる詐欺的な証券投資勧誘行為も行われております のでご注意願います。