3月が決算末もしくは四半期末の会社は先週の金曜をピークとして昨日までに決算発表を終えられたと思います。ゴールデンウィークも含め日夜作業に集中してきた管理部門の皆さま、お疲れ様でした。
今回の決算発表ではトヨタが場中の決算発表を行い話題になりました。というのも通常日本では場が空けた15時以降に決算発表を行う会社が慣行的に多いためです。この決算会見の中で、豊田章男社長が、トヨタの歴史はイミテーション(模倣)から始めそこからインプルーブメント(改良)を重ねイノベーションにつなげた、とコメントされていて、とても印象に残りました。書店に行けばイノベーション関連の書籍があふれ、経営者の中にはイノベーションという言葉の呪縛に追われている方も多いように思います。豊田社長のコメントはそのような風潮に一石を投じているようにも感じました。
さて、管理部門の方が決算短信による決算発表を終えると、次に控えるイベントは定時総会と有価証券報告書等の準備です。今年は総会招集通知の事業報告等と有価証券報告書の一体的開示のための取組みに向けた法改正がなされ、早速3月決算の会社から適用されます。開示に関する不毛な負担を軽減すべく、この取組み自体はとても良いことですが、統合のためには検討項目も多く、しばらくは上場会社の開示担当の方々はかえって負担が増えるのではないでしょうか。私も今後の先行事例にはつぶさに注目していきたいと思います。
また、この3月が基準期の上場準備会社にとっては、これから申請に向けてラストスパートの会社さんも多いことと思います。Ⅰの部等の申請書類に基準期の決算書を反映させ、申請ぎりぎりまで細心のチェック、より多くの目によるチェックが必要ですね。豊田社長の言葉ではありませんが、直近にIPOした企業の届出書は直近の審査トレンドを反映していることも多いので、それらをしっかり参照(模倣)して、その意味合いをよく吟味し、より自社の実態に合わせてブラッシュアップ(改良)していくのが良いのではないかと思います。
上場準備中の会社さんの中にはIPO時の有価証券届出書がEDINETには開示されていることをご存じでない方が多いのですが、次の方法で網羅的に閲覧可能ですのでご参考まで。
(加藤)