鈴木博司
明けましておめでとうございます。
平成が終わろうとしています。IPO業界に昭和の時代から関わってきましたが、弊社の問題意識の基本は変わっていないのに気付きます。
IPO準備は大変な作業を伴うものです。この時期にしか大掛かりな体制構築は出来ないものです。言葉では全てを言いきれませんが、IPO準備はIPOをすることだけの意識で取り組むのではなく、「内部管理体制を整えて成長基盤を作る」「上場後は上場企業としてのタイムリーで正確な情報提供が出来る体制を作る」などを目的意識に持つべきと言うことです。
以下は昭和の時代と平成の時代のIPO準備に関連する差の一部の例です。
上記は上場会社になるために必要な体制が出来ているか、出来る見込みがあるかも問われています。平成に入ってからの方が上場会社に求められる要請事項が増えているのです。従って、上場審査上も要請事項が増え、対応力が必要になっているのです。
にもかかわらず、昭和の時代は準備期間が2~3年程度であったものが、この数年では本格作業開始から審査まで相当短期間になっています。また、管理体制も最近は極めて脆弱な状況で準備及び審査対応をしている傾向があります。
この結果は、証券審査中や東京証券取引所審査中に延期または中止となっている会社が増加していることからも明らかです。(尚、一般の皆様には東京証券取引所が上場承認発表をした後に延期・中止になっている会社だけしか把握は出来ません。)さらに言えば、証券会社審査にも入れない会社が相当数ある状況になっています。
とは言え、この数年のIPO社数は90社前後になっており、経営者の方からすると、あの会社が上場出来ているのだから自分の会社も上場出来るだろうと考えたくなるかも知れません。審査も万能な方法は無いため、表面上だけで切り抜けて上場してしまった会社もあるでしょう。そのような会社は幸運とは言えないでしょう。上場後の責任の重圧を感じるようになるのです。その為、上場後に不祥事を起こしてしまいます。
上場準備で上場会社に相応しい管理体制を整備すると言うことは、上場後のデスクローズ対応にも憂いを無くし、本業に専念できる体制つくりとも言えるのです。
平成が終わり、新しい元号になっても問題意識が変わることはありません。
弊社は、今年もIPOを目指す会社の皆様が、IPO準備を有意義で有効な作業にして頂けるよう支援してまいりたいと思います。
本年も引き続き宜しくお願い致します。
(鈴木)