1年越しのTOKYO2020オリンピックが記録的なメダルラッシュで終わりました。57年前の東京オリンピックでは16個の金メダルでアメリカ、ソ連に続き世界3位でしたが、今回は金メダル27個と大幅にメダル数を伸ばし、アメリカ、中国に続いてやはり世界3位でした。前回は20競技163種目に、93の国と地域から5,152人が参加したとのことですが、今回は33競技339種目、205の国と地域から約11,000人が参加したとのことで、スポーツの広がりと世界の膨張を感じます。
また、5年前の期待感とは様相が異なり、コロナ禍の中で人類として非常に難問な環境での開催となりました。パラリンピックも無事出場選手が活躍できることを願っています。
さて、スポーツとはめっきり縁のない小職ですが、7月に人生初のぎっくり腰を経験し、健康の大切さを感じる中、私が信頼を寄せるプロフェッショナルのお薦めで「LIFE SCIENCE(ライフサイエンス) 長生きせざるをえない時代の生命科学講義」を読了しました。
皆さん、「オートファジー」ご存じでしょうか。
本書によれば「ざっくりいうと、細胞を自分の力で新品にする機能」だそうで、細胞の中の恒常性を保つ役割であり「細胞の中の物を回収して、分解してリサイクルする現象」ということのようです。長寿やがん治療、アルツハイマー治療等のカギとなる可能性があり注目されています。
人間は1つの細胞から細胞分裂を繰り返し37兆個まで増え、それ以上は増えないように設計されているそうです(細胞ががん化すると無制限に増えてしまい生命を維持できなくなるようです)。それぞれの細胞が異なる役割を担い目や皮膚や各臓器の細胞として、一つ一つの細胞単位で生きているとのことです。天文学的な数値でまさに神の領域ですね。
ちょうど先月、ヒトはピュシスの世界に抗いながらロゴスの世界を構築し、やがてピュシスの世界に戻っていくという内容の生物学者のセミナーを受講したところだったこともあり、本書でも共通する動的平衡の生命観に改めて感銘を受けました。
腹八分目、意味があるのですね。ルビコンを増やさないように心掛けながら、社会的な動的均衡の1機能であるIPOの支援にいそしみたいと思います。
(加藤)