【原田】TOKYO PRO Marketの光と影②(幻の転校生)

9月13日に、㈱Geolocation Technology(本社 静岡県三島市。以下「G社」)が、福岡証券取引所のQ-Board市場に上場しました。

G社は昨年12月11日にTOKYO PRO Market(以下「TPM」)に上場しており、TPM上場から9ヶ月という短期間で、他の国内市場へ上場しました。

(なお、東証はプロ向け市場であるTPMと一般投資家も参加する他の市場との重複上場を認めていないため、G社株式は9月12日にTPM市場で上場廃止となっています。)

 

もっとも、G社の件で私の目を引いたのは、単に短期間での他市場への上場という点ではなく、両市場への申請直前期がどちらも同じ、2020年6月期である点です。

複数市場への同時上場は別ですが、同じ決算期を使用して複数市場へ上場(しかも始めに上場した市場は上場廃止)というのは、極めて異例だと思います。

なぜなら、市場により差があるものの、上場審査を受けるためにはそれなりのコストが発生するからです。同じ決算期を使用して他の市場に上場できるとしても、それができるなら初めからQ-Boardに絞って上場申請すれば良いからです。

この点についてG社は、「(2020年12月にTPMに上場したが)さらなる社会的信用及び知名度の向上を図るとともに、当社株式の流動性を高めるため、新たに福岡証券取引所Q-Boardへ上場した」と述べています。

たしかにG社は、IP Geolocation事業(IPアドレスから導かれる情報をマーケティングや不正検知等に活用するサービス)が好調のようです。

G社のWebサイトのニュースを見ても、TPM上場後、今年に入ってから官公庁の案件を続けて受注するなど、社会的信用と知名度の向上が今後の成長の鍵と判断したのでしょう。

上場審査に関わっていると、「そのような変化も予測して計画を立て、上場市場を選択するのだ」と言いたくなりますが、小規模の伸び盛りの会社が、何かをきっかけに、短期間で大きく変わっていくのを予測するのは難しいのかも知れません。

 

とはいえ、ついこの間上場した会社が、決算が確定しないうちに他の市場へ移っていくのを見て、狐につままれたような気分なのも事実です。

 

たとえるなら、夏休みの始まる前日に静岡から転校して来た生徒が、夏休み明けに福岡へ転校してしまったような・・・。

 

原田

 

IPO社数の市場別内訳(TOKYO PRO Market以外)

2021IPO社数(予定を含む)=83 

2021

9月17日現在

上場

上場

予定

東証1

3

2

東証2

3

*1

マザーズ

*49

11

JASDAQ

*13

0

名証2

*1

*1

セントレックス

*1

0

Qボード

*2

0

合計

72

15

複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。

 

(ご参考)2020IPO社数=93 

 

上場

上場

予定

東証1

6

0

東証2

9

0

マザーズ

63

0

JASDAQ

14

0

セントレックス

1

0

合計

93

0

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