【鈴木】主幹事証券会社難民時代? ~監査法人だけでない~

IPOにおいて主幹事証券との契約と監査法人との監査契約は、最初の難問となってきました。これらについての皮膚感覚を交えたお話をしたいと思います。

 

監査難民と言われて久しくなりましたが、状況は一向に改善しておらず、益々問題化してきています。IPOにおいての監査契約は大手監査法人及び準大手監査法人が中心となっています。それらの監査法人は人手不足から、新規で対応する余力が無く殆ど受け付けていない状況です。また大手監査法人を中心に、退職者が多く出ていることも影響しているのでしょう。退職した人達の中には新たに新監査法人を設立している人たちもおられます。しかし、それらの新監査法人がIPOの為に監査を希望する会社の受け皿として吸収するだけの規模には達していません。仮に新監査法人が受けてくれたとしても、危惧することもあります。それは、公認会計士・監査審査会による調査対応が出来るのかです。概ね3年毎に行われる調査も年々体制の要求レベルが上がってきているようですので、中小監査法人に調査が入った場合、改善要請が出され、金融庁長官より行政処分が出る可能性もあります。当該会社の監査法人が行政処分の対象になると、内容によりますが大抵は監査法人の変更検討が必要になり、新たに探すことになります。この変更のハードルは相当高いので思案のしどころです。先のことまで心配するとキリがありませんが。

 

次に、主幹事証券会社についてです。こちらも主幹事としての引受契約が困難な状況になって来ています。準備指導部隊である公開引受部の担当者を付ける余力が無くなって来ているのです。理由はいくつかあります。上場審査は年々厳しさを増しており、指導をする公開引受部員も審査部員も対応に時間がかかることが多くなりました。さらに、上場の延期会社が多くなり、これらの会社の対応も引き続き行う労力も必要になっています。また、今後は昨年からの日本証券業協会で検討されていた「公開価格の決定プロセスのあり方等」の中で主幹事証券会社はIPO希望会社(発行会社)に対して十分な策定根拠を説明することになったことも重荷になって来ています。証券界でも監査法人業界と同様に、中小証券会社がIPOの主幹事になるべく、体制強化をしてきていますが、そうそう簡単に数をこなせるようになるには、人員増や経験増など相当の時間を要すると思われます。従って、主幹事証券会社難民と言う表現が出てきてもおかしくありません。

 

仮に主幹事証券会社と監査法人の契約が出来たと喜んでも、それぞれが指導時間を十分に取れない可能性があり、希望の上場スケジュールの通りに順調に進まない可能性も大きくなっています。従って、主幹事証券会社や監査法人の指導を待つだけでは運を天に任せるようなものです。スムースに進めるためには、契約後(担当者が決まった後)に行われる調査で問題となりそうな指摘事項をある程度事前に解消(対応)しておく事が重要になるでしょう。

何だか弊社のPRのようになっているかもですが。

 

鈴木

2022IPO社数(予定含む)=86

2021年IPO社数(通期)=125社

11月18日現在

市場別

2022

上場

(含予定)

2021

通期

(参考)

プライム

スタンダード

グロース

東証1

2

8

58

1

6

東証2

3

8

マザーズ

10

93

JASDAQ

メイン-名

1

2

16

名証2

0

3

ネクスト-名

セントレックス

1

0

1

Qボード

アンビシャス

0

3

合計

87

130

 複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。

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