残暑お見舞い申し上げます。
お盆を過ぎましたが連日例年よりも寝苦しい夜が続いている気がします。データ上も今年の夏は平年より暑いようで納得です。
データの流れでもう一つ。
今週の日経ヴェリタスの記事に「旅先で知る円安の現在地」というテーマでビッグマック指数が取り上げられていました。
ビッグマック指数(BMI)とは、世界的な経済誌『The Economist』が、1月と7月の年2回発表している経済指標で、その名の通り、マクドナルドが世界で提供するビッグマックの価格比をもとに、各国の通貨が相対的にどれくらい安いか高いかを示す指標です。
コロナウイルスが流行りだして以降はパタッと海外に行く機会もなくなってしまい、個人的には未曽有の円安を体感する機会はあまりないのですが、直近7月のビックマック指数によれば、日本円はアメリカドルに対し45.1%も割安なんだそうです。
因みに現在一番ビッグマックが割高な国(通貨)は、スイス(スイスフラン)でアメリカドルに対し30.3%割高となっており、日本との乖離幅は75.6ポイントとえらいことになっています。先ほどの日経ヴェリタスの記事では、同紙の記者さんがこの夏スイスに取材?旅行?に行かれた体験談が記載されているのですが、日本では今390円でビックマック1個が買えますが、スイスでは1個約910円するそうです。ビックマック指数的には390÷(1-0.451)×1.303=925円となりますが、これを現地へ行って証明されてきた訳です。セット価格だとさらに割高で1,720円(日本ではランチタイムでは600円)と日本の3倍近くになっているようです。
現状の日本円の相対的な順位ですが、ビッグマック指数がカバーしている54通貨のうち41位と下から数えて14番目となっています。コロナ前の2019年7月の時点では26位で真ん中くらいでしたので、世界的にはこの3年で日本が相当割安にシフトしていることが分かります(因みに2000年4月では日本は5位でした)。
50年前の水準に戻ってしまっている現状の円安水準は、トヨタが2.8兆円の過去最高純利益を記録する一方で、多くの企業に原料費や輸送費・光熱費の高騰という悪影響をもたらしています。
これは世界に逆行して日銀が異次元緩和を継続していることに起因するもので、いつまで続くか読めませんが、その副産物として週末の銀座がまた外国人であふれる時期もそう遠くないように思います。
私のいくつかのクライアントさんでも海外出張が再開されつつありますが、海外出張旅費規程の日当等は見直さないとですね。
(加藤)