一般的には、プライシングとは価格を決定することをいいます。
上場時ファイナンスにおけるプライシングとは、公開価格(発行価格または売出価格)を決定することをいいます。
新規上場時のファイナンスでは、通常、ブックビルディング方式により公開価格を決定します。
公開価格決定までのプロセスは概ね以下のとおりです。
(公開価格決定のプロセスの概要)
① 想定発行価格の決定
主幹事証券が、発行会社の事業内容・利益計画の検討、類似会社との比較等を行った上で決定した価格帯を提示し、発行会社と協議の上、想定発行価格を決定します(想定発行価格は有価証券届出書に記載)。
② ロードショー、プレ・マーケティング→仮条件価格帯
の決定
会社幹部は機関投資家を訪問し、目論見書等を用いて事業内容等の説明を行います。
主幹事証券会社は、有価証券届出書提出後に機関投資家から、発行条件に対する意見聴取(プレ・マーケティング)を行います。
機関投資家からのフィードバックを判断材料として、ブックビルディングの仮条件価格帯を決定します。
③ ブックビルディング→公開価格の決定
決定された仮条件価格帯を前提として、引受証券会社は投資家の需要状況の調査(ブックビルディング)を行います。
調査の結果を判断材料として、新株発行または売出しの価格(公開価格)を決定します。