SWOT分析は、会社の戦略を策定・評価する際の手法として知られています。
会社の強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)という視点から戦略策定のための環境分析をすることから、頭文字をとってSWOT分析と呼びます。
(外部環境-機会と脅威)
一般にSWOT分析では、まず外部環境としての機会と脅威の分析を行います。
機会と脅威の分析のフレームワークとしては、①新規参入、②既存のコンペティターとの競合の状況、③代替製品、④顧客の交渉力、⑤供給者の交渉力の5つの競争要因を考慮する方法が有名です。
また、機会の分析には例えば、自社の属する業界(成熟型か新興型か等)や自社のポジショニングのタイプを定義し、それぞれのタイプに特徴的な機会を検討する方法があります。
(内部環境-強みと弱み)
自社の強み、弱みは例えば以下のような観点から検討します。
・財務(売上、利益、利益率、回転率 等)
・資産(技術、知財、生産設備、ロケーション 等)
・人材
・組織
・バリューチェーン(開発、購買、生産、販売、マーケティング、物流等)
(上場審査とSWOT分析)
①上場審査の中心的な資料である「Ⅱの部」には、「業界の動向」「同業他社の状況」「事業所展開の基本方針」「研究開発方針」「仕入(販売、外注)の状況」「組織体制について」「経理の状況について」などの項目について記載を求められます。
これらの項目は、SWOT分析(「機会と脅威」や「強みと弱み」の分析)と重なる部分が多くあります。
この意味で上場審査とは、上場申請会社の戦略(競争優位を実現するための道筋)を評価することだと考えることもできます。
②「JQレポート」では、上場申請会社に自社のSWOT分析を行い、その内容を記載することを求めています。