内部監査とは、企業の経営活動に資する目的で企業内部の者(従業員等)が、経営者の指揮の下に、業務部門の体制・活動全般を対象に実施する監査をいいます。
会計監査人など、企業の外部の者が行う監査(外部監査)との対比で内部監査と呼ばれます。
(上場審査における内部監査)
上場審査において、内部監査の実施は必須の要件となっています。
取引所は、会社の規模等から見て適切な内部監査体制の整備・運用がなされているかどうかを審査します。
原則として、上場申請直前1年間(以上)の運用実績が求められます。(注)
(注)上場申請会社及びグループ会社の全部門(全拠点)の監査実績が必要です。
(内部監査業務の実施)
一般の業務から独立した社長直轄の組織(内部監査室)を設置し、専任のスタッフを配置することが望ましいとされています。
内部監査業務は、以下のような手順で進めていきます。
① 内部監査計画の作成(社長の承認、被監査部門への通知)
② 内部監査の実施
③ 監査結果の社長への報告(注)
④ 社長からの改善指示、改善の実施、改善報告
⑤ 改善結果のフォローアップ監査、結果報告
(参考1)内部監査の本質(日本内部監査協会)
内部監査とは、組織体の経営目標の効果的な達成に役立つことを目的として、合法性と合理性の観点から公正かつ独立の立場で、ガバナンス・プロセス、リスク・マネジメントおよびコントロールに関連する経営諸活動の遂行状況を内部監査人としての規律遵守の態度をもって評価し、これに基づいて客観的意見を述べ、助言・勧告を行うアシュアランス業務、および特定の経営諸活動の支援を行うアドバイザリー業務である。
(日本内部監査協会 「内部監査基準」より)
(参考2)市場ごとの内部監査体制に関する審査項目
市場 |
根拠となる規則等 |
審査項目 |
東京証券取引所 スタンダード市場 プライム市場 |
上場審査等に関するガイドラインⅡ 4(2)b 同 Ⅲの2 |
新規上場申請者の企業グループの内部監査体制が、適切に整備、運用されている状況にあること |
東京証券取引所 グロース市場 |
上場審査等に関するガイドラインⅢ 4(2)b |
新規上場申請者の企業グループの内部監査体制が、相応に整備され、適切に運用されている状況にあること |
関連項目:証券会社審査と取引所審査、三様監査、内部統制報告制度(J-SOX)、会計監査人