のれんとは、ある企業が他の企業や他の企業の事業を取得する場合において、取得原価が、受け入れた資産及び引き受けた負債に配分された純額を上回る金額をいいます。
また、取得原価が、受け入れた資産及び引き受けた負債に配分された純額を下回る場合には、当該不足額を「負ののれん」といいます。(企業結合に関する会計基準 31)
また、連結決算において、親会社の子会社に対する投資とこれに対応する子会社の資本との相殺消去にあたり、差額が生じる場合には、当該差額をのれん(または負ののれん)といいます。(連結財務諸表に関する会計基準24)
いずれの場合も、のれんは、取得された企業(事業)が、通常、財務会計で認識される資産・負債の価値を超える評価を受けた場合に発生します。
のれんの発生原因としては、たとえば、その企業が持つブランド、ノウハウ、成長性や収益力等が考えられます。
(のれんの償却等)
のれんは原則として資産に計上し、20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定額法その他の合理的な方法により規則的に償却します。(企業結合に関する会計基準 32)
また、負ののれんが生じると見込まれる場合には、取得企業は、①すべての識別可能資産及び負債が把握されているか、また、それらに対する取得原価の配分が適切に行われているかを見直し、②見直しを行っても、なお負ののれんが生じる場合には、当該負ののれんが生じた事業年度の利益として処理します。(企業結合に関する会計基準33)
(のれんの減損)
のれんは、「固定資産の減損に係る会計基準」の適用対象資産であり、規則的な償却を行う場合でも、同基準に従った減損処理が行われることになります。(企業結合に関する会計基準 108)