資産除去債務とは、有形固定資産の取得、建設、開発又は通常の使用によって生じ、当該有形固定資産の除去に関して法令又は契約で要求される法律上の義務及びそれに準ずるものをいいます。(資産除去債務に関する会計基準(以下「基準」)3(1))

 

有形固定資産の除去に関する将来の負担を財務諸表に反映させることは投資情報として有用であるという観点から、資産除去債務を負債として計上するとともに、これに対応する除去費用を有形固定資産に計上する資産除去債務の会計処理に関して「基準」が公表されました。

 

「基準」における有形固定資産には、財務諸表等規則において有形固定資産に区分される資産のほか、それに準じる有形の資産(建設仮勘定やリース資産、投資不動産)などについても、資産除去債務が存在している場合には、本会計基準の対象となることに留意する必要があります。(「基準」23)

 

また、有形固定資産の「除去」とは、売却、廃棄、リサイクル等、有形固定資産を用役提供から除外することをいい、一時的に除外する場合や転用や用途変更、当該有形固定資産が遊休状態になる場合は除去に該当しません。(「基準」3(2))

 

 

(会計処理)

  資産除去債務は、有形固定資産の取得、建設、開発又は通常の使用によって発生した時に負債として計上しま

  す。(「基準」4)

  資産除去債務に対応する除去費用は、当該負債の計上額と同額を、関連する有形固定資産の帳簿価額に加えま

  す。(「基準」7)

 

(算定方法)

  資産除去債務の金額は、①有形固定資産の除去に要する割引前の将来キャッシュ・フローを見積り、②割引後の

  金額(割引価値)で算定します。(「基準」4、6)

  なお、算定の際に使用する割引率は、「貨幣の時間価値を反映した無リスクの税引前の利率」とされており、将

  来キャッシュ・フローが発生するまでの期間に対応した利付国債の流通利回りなどを参考に決定します。(「基

  準」6、「基準」の適用指針23)

 

【設例】

X141日に設備を取得し使用を開始。(3月決算)

取得原価:20,000、耐用年数は3年、減価償却の方法:定額法(残存価額=0

設備取得時点における設備除去に係る見積支出額1,500、割引率2

設備除去に係る実際支出額 1,800

 

 (1)取得時(X1年4月1日)の仕訳

設備

21,413

現預金

20,000

 

 

資産除去債務

1,413*

 *資産除去債務=1500÷(1.02)^3

 

 

(時の経過による資産除去債務の調整等)

  時の経過による資産除去債務の調整額は、期首の負債の帳簿価額に当初負債計上時の割引率を乗じて算定しま

  す。(「基準9」)

  また、資産計上された資産除去債務に対応する除去費用は、減価償却を通じて、当該有形固定資産の残存耐用年

  数にわたり、各期に費用配分します。

 

 (2)1年経過時(X2年3月31日)の仕訳

   ①時の経過による資産除去債務の増加

利息費用*

28

資産除去債務

28

 

     *利息費用(資産除去債務増加額)=1,413*2%

     (時の経過による資産除去債務の調整額は、損益計算書上、当該資産除去債務に関連する有形固定資産の減価

   償却費と同じ区分に含めて計上)

 

   ②資産計上した除去費用の減価償却

減価償却費*

7,138

減価償却累計額

7,138

 

   *減価償却費=21,413÷3

 

 

(参考)3年経過時(除去前)までの期末の諸数値は以下のとおりです。

 

X1.4.1

取得時

X2.3.31

1年目)

X3.3.31

2年目)

X4.3.31

3年目)

合計

資産除去債務(期首)

BS

1,413

1,413

1,441

1,470

利息費用

PL

28

29

30

87

資産除去債務(期末)

BS

1,441

1,470

1,500

減価償却費**

PL

7,138

7,138

7,137

21,413

*利息費用=資産除去債務期首残高×2

 

減価償却費=(20,0001,413÷3

 

 (3)設備除去時の仕訳

減価償却累計額

21,413

設備

21,413

資産除去債務

1,500

現預金

1,800

履行差額(費用)

300

 

 

 

    *履行差額は、損益計算書上、原則として、当該資産除去債務に対応する除去費用に係る費用配分額と同じ

     区分に含めて計上。

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