「関連当事者との取引」(以下「関連当事者取引」)とは、会社と関連当事者との取引をいい、対価の有無にかかわらず、資源若しくは債務の移転、又は役務の提供をいいます。また、関連当事者が第三者のために会社との間で行う取引や、会社と第三者との間の取引で関連当事者が当該取引に関して会社に重要な影響を及ぼしているものを含みます。(関連当事者の開示に関する会計基準 51))

 

 

 

(関連当事者の定義)

 

連結財務諸表規則

財務諸表等規則

会社計算規則

 

15条の4

8条 第17

112条 第4

1

親会社

親会社

親会社

2

非連結子会社

子会社

子会社

3

会社と同一の親会社をもつ会社等

会社と同一の親会社を持つ会社等

親会社の子会社

4

その他の関係会社並びに当該その他の関係会社の親会社及び子会社

その他の関係会社並びに当該その他の関係会社の親会社及び子会社

その他の関係会社並びに当該その他の関係会社の親会社及び子会社

5

関連会社及び当該関連会社の子会社

関連会社及び当該関連会社の子会社

関連会社及び当該関連会社の子会社

6

会社の主要株主及びその近親者(2親等内の親族)

会社の主要株主及びその近親者(2親等内の親族)

会社の主要株主及びその近親者(2親等内の親族)

7

役員及びその近親者

役員及びその近親者

役員及びその近親者

8

親会社の役員及びその近親者

親会社の役員及びその近親者

親会社の役員又はこれらに準ずる者及びその近親者

9

重要な子会社の役員及びその近親者

10

69に掲げる者が議決権の過半数を自己の計算において所有している会社等及び当該会社等の子会社

68掲げる者が議決権の過半数を自己の計算において所有している会社等及び当該会社等の子会社

68に掲げる者が議決権の過半数を自己の計算において所有している会社等及び当該会社等の子会社

11

従業員のための企業年金

(会社又は連結子会社と重要な取引(掛金の拠出を除く)を行う場合に限る)

従業員のための企業年金

(会社と重要な取引(掛金の拠出を除く)を行う場合に限る)

従業員のための企業年金

(会社と重要な取引(掛金の拠出を除く)を行う場合に限る)

(1) 役員:

取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又はこれらに準ずる者をいいます。

   「これらに準ずる者」とは、例えば、相談役、顧問、執行役員その他これらに類する者であって、その会社内における地位や職務等からみて実質的に会社の経営に強い影響を及ぼしていると認められる者をいいます。

(関連当事者の開示に関する会計基準の適用指針 4

(2) 主要株主:

自己又は他人(仮設人を含む。)の名義をもつて総株主等の議決権の百分の十以上の議決権(信託財産として所有されている株式等を除く)を保有している株主をいいます。

 

(関連当事者取引の開示)

会社と関連当事者との取引は対等な立場で行われているとは限りません。

また、関連当事者の存在自体が会社の経営に重要な影響を与える可能性もあるため、投資家に対して関連当事者取引の内容や条件の決定方法について開示することが重要となります。

上場会社の場合、関連当事者取引は有価証券報告書中の連結財務諸表もしくは財務諸表の注記として開示されます。(注1)(注2

(注1)他に、計算書類(個別注記表)の中で開示されます。

(注2)以下の取引は記載対象外となります。(関連当事者の開示に関する会計基準 9

・一般競争入札による取引並びに預金利息及び配当の受取りその他取引の性質からみて取引条件が一般の取引と同様であることが明白な取引

  役員に対する報酬、賞与及び退職慰労金の支払い

また、重要性のない取引については開示対象となりません。(関連当事者の開示に関する会計基準の適用指針12

 

(上場審査における関連当事者取引)

上場審査においては、関連当事者との取引を行うこと及び条件の合理性、開示の妥当性の観点から審査が行われます。

取引の内容によっては、取引条件の変更や取引の解消が必要になる場合もあります。 

市場

規則

内容

東京証券取引所

スタンダード市場

プライム市場

上場審査等に関するガイドライン

31)、Ⅲの31

(企業経営の健全性)

新規上場申請者の企業グループが、その関連当事者その他の特定の者との間で、取引行為その他の経営活動を通じて不当に利益を供与又は享受していないと認められること

上場審査等に関するガイドライン

53)、Ⅲの53

(企業内容等の開示の適正性)

新規上場申請者の企業グループが、その関連当事者その他の特定の者との間の取引行為又は株式の所有割合の調整等により、新規上場申請者の企業グループの実態の開示を歪めていないこと

東京証券取引所

グロース市場

上場審査等に関するガイドライン

23

(企業内容、リスク情報等の開示の適切性)

新規上場申請者の企業グループが、その関連当事者その他の特定の者との間の取引行為又は株式の所有割合の調整等により、新規上場申請者の企業グループの実態の開示を歪めていないこと

  

(申請書類における関連当事者取引)

上場申請書類中、「Ⅰの部」には上場会社と同様の内容を記載しますが、「Ⅱの部」等の書類においては、より詳細な記載が必要となります。

市場

申請書類

記載項目

備考

東京証券取引所

スタンダード市場

プライム市場

グロース市場

Ⅱの部

各種説明資料

関連当事者取引等の実施に対する基本方針

 

関連当事者取引等の適正性を確保するための体制

 

最近 2 年間及び申請事業年度の関連当事者取引等の状況について

・取引金額の重要性は考慮せず、すべての取引について記載

・すべての子会社及び関連会社の役員との取引について記載

・最近3事業年度末の個人大株主(上位15名程度)すべてについて記載

 

(関連当事者の調査)

関連当事者の中には、会社の人事資料だけでは把握しきれない可能性のある者が含まれるため、対象者の調査を実施する必要があります。

関連当事者の定義は非常に複雑であるため、事前に調査対象者を明確にしておくこと重要です。

また、効率的に調査を実施するために、対象者に重複の多い「特別利害関係者等」「役員等関係者」と併せて調査することも検討する必要があります。

 

関連項目:証券会社審査と取引所審査Ⅰの部Ⅱの部各種説明資料特別利害関係者等役員等関係者経営者が関与する取引

 

2024IPO社数(予定を含む)=65*

2023IPO社数(通期)=96*

 

10月4日現在

市場別

2024

(含予定)

2023

(参考)

プライム

スタンダード

グロース

メイン-名

札幌(本則)

ネクスト-名

アンビシャス

3

9

49

1

0

3

1

2

23

66

5

1

1

0

 Qボード 2 1

合計

   68

99

 複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。

 

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2023IPO社数(通期)=96*

2022IPO社数(通期)=91*

 

市場別

2023

2022

(参考)

プライム

スタンダード

グロース

メイン-名

札幌(本則)

ネクスト-名

アンビシャス

2

23

66

5

1

1

0

3※1

142

70※3

2

0

2

1

 Qボード 1 0

合計

   99

92

 複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。

1:東証11社を含みます。

2:東証2部+JQ4社を含みます。

3:マザーズ10社を含みます。

2022IPO社数=91

2021年IPO社数=125社

 

市場別

2022

 

2021

(参考)

プライム

スタンダード

グロース

東証1

2

10

60

1

6

東証2

3

8

マザーズ

10

93

JASDAQ

メイン-名

1

2

16

名証2

0

3

ネクスト-名

セントレックス

2

0

1

Qボード

アンビシャス

0

1

3

合計

92

130

 複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。