IFRSとは、International Financial Reporting Standardsの略で、国際財務報告基準と訳します。
IFRSの設定主体は、 IASB(国際会計基準審議会:International Accounting Standards Committee)です。
(日本における導入スケジュール)
日本では、2005年から日本基準とIFRSの差異を解消するためにコンバージェンス(収れん)が進められ、2010年3月期から「国際的な財務・事業活動を行っている」上場会社で一定の要件を充足する会社の連結財務諸表についてIFRSの任意適用が開始されました。
当初の予定では、IFRSの強制適用の判断を2012年を目途として行う予定(注)でしたが、現時点では、導入時期は明確に示されていません。
(注)2012年に強制適用を判断する場合は、2015年または2016年の適用開始が想定されていました。
IFRSの導入時期は未定ですが、上場時(もしくは上場後)に強制適用となることが確定した場合、上場準備作業にIFRSへの対応作業が追加されます。
IFRSへの対応には相当の時間と労力を要する可能性がありますので、上場準備会社はIFRSの導入時期と自社への適用について常に注意を払っておく必要があります。
(参考)日本の会計基準と比較したIFRSの主な特徴
① 原則主義
IFRSでは会計処理について詳細なルールを示すのではなく、原則を提示し、原則に基づいて各企業が会計処理等について判断することになります。
② 資産負債アプローチ
IFRSでは貸借対照表を重視し、資産負債の増減分から出資に関するものを除外した部分を包括利益として認識します。
③ 公正価値
IFRSでは「公正価値」による資産負債の評価を行います。資産負債アプローチと合わせて適用することで、未実現利益も含めたキャッシュ・フローを生み出す能力を認識します。
関連項目:コンバージェンス、アドプション、コンドースメント、クリーンサープラス関係