【加藤】IPOにおけるKAM事例(2022年)

カタールで行われているサッカーワールドカップ決勝トーナメントで日本はクロアチアに敗れ、惜しくもベスト8に進めませんでした。ただ、予選リーグでのドイツやスペインへの勝利は、まだコロナ禍を脱しきれない年末に、とても明るいニュースとなりました。

さて、2022年も残すところあと僅かとなりました。今年のIPO社数(予定含む)は弊社集計では91社となっております(東京プロマーケット除く)。この中で、上場承認時に提出する有価証券届出書の監査報告書にKAM(Key Audit Mattersが掲載されている企業は、いくつあったと思いますか?

 

答えは以下の8社となります。

会社名

承認日・市場・決算

直前期資本金5億以上

直前期負債200億以上

監査法人

事務所

EDINET届出書リンク

東証Ⅰの部リンク

ヤマイチ・ユニハイムエステート㈱

2022/5/16

スタンダード・3

 

仰星

大阪

https://bit.ly/3VzjiNi

https://bit.ly/3BeLJYF

KAMのテーマ)

      (直前期連結)賃貸事業目的で保有する不動産の減損の認識判定

      (直前期単体)連結と同様につき省略

㈱エアークローゼット

2022/6/24

グロース・6

 

トーマツ

東京

https://bit.ly/3Fq7gA7

https://bit.ly/3gXPr29

KAMのテーマ)

      (直前期単体)レンタル用資産の減損の計上額の妥当性

日本ビジネスシステムズ㈱

2022/6/28

スタンダード・9

 

EY新日本

東京

https://bit.ly/3VPPWdj

https://bit.ly/3P5Cv6T

KAMのテーマ)

      (直前期単体)繰延税金資産の回収可能性

FIXER

2022/9/1

グロース・8

 

太陽

東京

https://bit.ly/3VSWHLd

https://bit.ly/3Uy6SUz

KAMのテーマ)

      (直前期単体)クラウドサービス事業における売上高の期間帰属の適切性

㈱ソシオネクスト

2022/9/6

プライム・3

EY新日本

東京

https://bit.ly/3H7c7HR

https://bit.ly/3Y0MnCN

KAMのテーマ)

      (直前々期連結)株式会社ソシオネクストが計上するNRE売上の実在性及び期間帰属の適切性

      (直前期連結)株式会社ソシオネクストが計上するNRE売上の実在性及び期間帰属の適切性

      (直前々期単体)連結と同様につき省略

      (直前期単体)連結と同様につき省略

大栄環境㈱

2022/11/9

プライム・3

仰星

大阪

https://bit.ly/3uq4O6A

https://bit.ly/3UuotNj

KAMのテーマ)

       (直前々期連結)のれんの減損の兆候の判定

       (直前期連結)のれんの減損の兆候の判定(直前々期連結)のれんの減損の兆候の判定

       (直前々期単体)関係会社株式の評価

       (直前期単体)関係会社株式の評価

スカイマーク㈱

2022/11/10

グロース・3

 

トーマツ

東京

https://bit.ly/3iAnYDY

https://bit.ly/3iHDMFa

KAMのテーマ)

       (直前々期単体)事業計画の合理性(繰延税金資産の回収可能性及び継続企業の前提に関する評価の基礎の検討)

       (直前期単体)事業計画の合理性(繰延税金資産の回収可能性及び継続企業の前提に関する評価の基礎の検討)

オープンワーク㈱

2022/11/14

グロース・12

 

太陽

東京

https://bit.ly/3Hatnfh

https://bit.ly/3UATQWc

KAMのテーマ)

       (直前期単体)営業収益の正確性及び期間帰属

 

このようにKAMが掲載されている事例が少ない理由は、IPOの際は、直前期末において資本金5億円未満かつ負債200億円未満の会社、もしくは、資本金5億円以上であっても直前期売上高10億円未満(「直前事業年度の売上高」と「直近3年間に終了した各事業年度に係る損益計算書による売上高の額の合計額を3で除して得た額」のうちいずれか大きい方)でかつ負債200億円未満の会社については、KAMの対象外となることによります。また、IPO承認時には直前々期と直前期の2期分の監査証明が必要ですが、20223月期以降を直前期とする会社から、2期分ともKAMの記載が必要となります。今年の事例で見る限り2期とも同じテーマになっているようです。

なお、従前のブログでは監査基準委員会究報告第6号「監査報告書に係るQ&AのQ2-1において「上場申請時に提出するⅠの部に含まれる財務諸表に対しては、準金商法監査のため厳密には金商法に基づく監査ではないが、上場承認後、金商法に基づき、ほぼ同内容の有価証券届出書の提出が必要となるため、後日提出される金商法に基づく監査報告書と同様であることが想定されていると考えられる」との記載がある旨を紹介しておりましたが、上記8社については、有価証券届出書だけでなく、東証に提出するⅠの部にも同じくKAMの記載があり、Ⅰの部の監査報告書においてもKAMが記載される実務が定着しているようです。

IPO直後の有価証券報告書の提出からは規模に関わらずKAMの記載が必須となりますので、上記以外の今年上場された会社の監査役等も、会計監査人とKAMについてしっかりと議論しておく必要があります。弊社のIPODB(登録制)ではKAM有りフラグも設けておりますのでご活用ください。

 

 

加藤

2023年IPO社数(予定を含む)2

2022年IPO社数(通期)=91社

1月27日現在

市場別

2023

(含予定)

2022

(参考)

プライム

スタンダード

グロース

メイン-名

ネクスト-名

アンビシャス

0

1

1

0

0

0

3 ※1

14 ※2

70 ※3

2

2

1

     

合計

2

92

 複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。

※1:東証1部1社を含みます。

※2:東証2部+JQ4社を含みます。

※3:マザーズ10社を含みます。

メンバーブログ

2022IPO社数=91

2021年IPO社数=125社

12月30日現在

市場別

2022

 

2021

(参考)

プライム

スタンダード

グロース

東証1

2

10

60

1

6

東証2

3

8

マザーズ

10

93

JASDAQ

メイン-名

1

2

16

名証2

0

3

ネクスト-名

セントレックス

2

0

1

Qボード

アンビシャス

0

3

合計

92

130

 複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。

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