株式会社は、以下の事項について異なる定めをした内容の異なる二以上の種類の株式を発行することができます。(会社法 108 1項)

このような特定の権利内容について内容の異なる株式を「種類株式」と呼びます。

 剰余金の配当

 残余財産の分配

 株主総会において議決権を行使することができる事項

 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること

 当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求する

 ことができること(取得請求権付種類株式)

 当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること

 (取得条項付種類株式)

 当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること(全部取得条項付種類

 株式)

 株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会)において決議すべき事項のうち、その決議のほ

 か、当該種類株主総会の決議があることを必要とするもの

 当該種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること。(指名委員会等設置会社と公開会社は不可)

 

また、株式会社が種類株式を発行するためには、種類株式の内容及び発行可能種類株式総数を定款で定め、登記しなければなりません(会社法 108 2項。第911 37

 

(普通株式) 

一般に、標準的な権利内容の株式を「普通株式」と呼びますが、複数の種類の株式が発行された場合には、いわゆる「普通株式」も種類株式の1つになります。

 

 

(上場準備会社での種類株式の利用)

上場準備会社の資本政策で、ベンチャーキャピタル(VC)等からの資金調達時に種類株式が利用されることがあります。

VC等は、配当や残余財産の分配に対する優先権を付与された種類株式を保有することで、経済的なリスクを軽減することができます。

また、取締役の選任、その他特定の議案に対する決定権(拒否権)を付与された種類株式を保有することで、投資先の経営に対する影響力を行使することができます。

一方、資金調達を行う上場準備会社にとっても、他の株式よりも優先的な権利を付与した種類株式を発行することで、他の株式よりも高い株価で効率的な資金調達を行うことができる等のメリットがありますが、種類株主総会を開催しなければならないなど、一定の事務負担が発生します。

 

なお、種類株式は特定の事項について他の株主と権利内容が異なる株式ですので、一般投資家が新たに株主となる新規上場の場合、上場前に普通株式に転換されることが一般的ですが、種類株式を残したまま上場する場合には、特に以下の点に注意する必要があります。

 

(東京証券取引所 上場審査等に関するガイドライン Ⅱ 6. (4)(5))

・議決権の多い株式等により、特定の者が経営に関与し続けることができる状況を確保すること等が、株主共同の利

 益の観点から必要であると認められ、かつ、そのスキームが当該必要性に照らして相当なものであると認められる

 こと。

・議決権の多い株式等を利用する主要な目的が、新規上場申請者の取締役等の地位の保全や買収防衛策ではないこ

 と。

・議決権の多い株式等の利用の目的、必要性及びそのスキームが、新規上場申請書類のうち企業内容の開示に係るも

 のにおいて適切に記載されていること。

・議決権の多い株式等を保有する株主が新規上場申請者の取締役等でない場合には、

  (a) 当該株主の議決権行使の目的や方針が適切であり、かつ、新規上場申請書類のうち企業内容の開示に係るも

    のにおいて適切に記載されていること。

  (b) 新規上場申請者の企業グループが、議決権の多い株式等の株主(親会社等に限る)の企業グループとの間

    に、原則として、事業内容の関連性、人的関係及び取引関係がないこと。

・異なる種類の株主の間で利害が対立する状況が生じた場合に、新規上場申請に係る株券等の株主が不当に害されな

 いための保護の方策をとることができる状況にあること。

・新規上場申請者が、親会社、支配株主等と取引を行う際に、少数株主の保護の方策をとることができること。

・剰余金の配当に関して優先的内容を有する株式がある場合には、直前期末の分配可能額及び申請事業年度を含む2

 年間の予想利益が良好であり、剰余金配当を行うに足りる利益を計上する見込みがあること。

・無議決権株式がある場合には、極めて小さい出資割合で会社を支配する状況が生じた場合に無議決権株式のスキー

 ムが解消される旨が定款等に適切に定められていること 等

 

 

 

 

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