昨年は、40社近くの会社が新たに上場会社となりました。仕事柄、新規上場会社のリストを見ることが多いのですが、リストには必ず「上場日」の欄があります。
ところで、上場日はどのように決まるのでしょうか。
ざっくり言うと、
(1)主幹事証券の審査終了後、会社が取引所に上場申請をして、
(2)取引所の審査が終わり
(3)通常、上場承認後に行われるファイナンスの手続きが完了し、
取引所で会社の株式の売買が開始される日が上場日となります。
従って、上場申請する決算期が与えられると、「取引所へ予定どおりに上場申請できれば、いつ頃までには上場できる」とか「審査が順調に進めば、最も早いと上場日はいつ頃になる」ということがおおよそわかります。
そして会社様の中には「上場日を○月○日にしたい」などのように、上場時期を指定(希望)される方がいらっしゃいます。
私が見聞きした例では、「最短の日程で上場したい」、「年内に上場したい」の他、会社の創立記念日など会社に所縁(ゆかり)の日を希望される方、大安などの「お日柄」を気にされる方もいらっしゃいました。
主幹事証券の担当者は、会社の決算日程、他の新規上場会社の上場予定などを横目で睨みながら、会社の希望にも配慮しつつファイナンス日程案を作成することになりますが、その前提として「予定どおりに上場申請できれば」、「審査が順調に進めば」などのコメントが付きます。
しかし、成長中で慢性人手不足の会社が初めて上場準備をするのですから、これは容易なことではありません。
見通しを立て、効率的に上場準備を進め、証券会社や取引所に対して要点を外さずに会社の状況を説明するためのサポートが必要となることもあると思います。
私たちは、まさにそのような仕事をしています。
「上場はゴールではないので、上場日はいつでもよい」という考え方があります。
一方で、上場会社としての始まりの日に思い入れを持つ方がいらっしゃるなら、そのような方のお手伝いをすることも私にとって大きな喜びです。
「この会社の上場日はどのように決まったのだろうか」
そんなことを考えながら、今年も新規上場会社リストを眺めています。
(原田)