7月になり、早くも2013年の折り返しを迎えました。
年初には新年の新しい気持ちを持って今年1年の個人としての目標を立てましたが、あっという間に1年の半分が過ぎてしまったことに気付き、当初の目標に対する進捗の遅さに焦りを感じています。
さて、IPOの世界においても年初には今年1年(歴年)でどの程度の会社が上場するか、市場関係者によって新規上場社数の予想が行われます。これは公式な情報ではないため、市場では色々な説が飛び交いますが、2013年については概ね60~70社程度の声が多かったように思います。
これに対し、1年の折り返しとなる本日(7月1日)時点では、上場承認済みで今後上場予定の会社を合わせると24社がIPOを達成・予定しています。年末など上場社数が増加する時期があることを考えると、まずまずのペースのように感じます。
当初年内に上場が予想された会社が実際には上場を果たせない場合、その要因としては様々なケースが存在しますが、過去の事例を見ていると最も多い要因は「企業の業績」にあります。
通常、IPOを果たすためには内部管理体制の構築など整備に時間がかかる作業が必要となるため、上場を目指してから数年間の準備期間を要しますが、年初の段階でIPOが噂される企業については既にある程度その整備が進んでいることになります。
一方、業績についてはIPOを目指す成長中の会社であれば企業戦略や技術・ビジネスモデルに他社に対する差別化要因となりうる特徴があり、その優位性によって業績が伸びていることが多いですが、会社の業績は戦略やビジネスモデルといった個別要因だけでなく、当然ながら外部の経済環境にも大きく影響を受けてしまいます。
そのため、全体の景気が悪い年には年初の予想上場社数と実際の上場社数のマイナス方向への乖離が特に大きくなりがちです。
この点、今年の外部経済環境について指標となる日経平均株価を見てみると、昨年12月以降のアベノミクスにより日本の景気回復期待が一気に高まり、日経平均株価も年初から春先にかけて大幅に上昇しました。ところが、その後短期間で大幅に下落し、今も乱高下を繰り返しています。景気回復への期待は確実に存在するものの、それが本当のものかどうか、市場関係者もまだ判断に迷っている状況にも見えます。
そういった意味では、これから始まる2013年の下期においてIPOを果たす会社がどの程度増加していくか、またどの程度年初の予想社数に近づいていくかに着目することで、今回の日本の景気回復が本当のものかどうかについての一つの参考指標を得ることができるのかもしれません。
私自身、その観点も含め、これから市場に登場してくる新規上場会社に注目していきたいと思います。
(関口)