【関口】箱根駅伝の教え

今年は新年早々、私の母校である青山学院大学が箱根駅伝で初優勝を飾るという、個人的に縁起の良い出来事でスタートしました。

箱根駅伝に出場することすらできない状況が長く続いていた青学大が、圧勝で優勝するまでに強くなった理由については色々と報道されていますが、元ビジネスマンである青学大の原監督が、ビジネスの手法である「目標管理」の手法を練習方法に持ち込んだこともその一つに挙げられています。

選手は日々の練習や記録会、生活面などの目標を一つ一つ細かく書き込んで監督に提出。それをもとに実際の結果とそこに至る過程を振り返ることで各々の目指すべき目標が明確になり、選手の自立や成長につながったというものです。


上場準備の現場でも、この「目標管理」の考え方を新たに導入することが必要になるケースが多く見られます。それまでは社長が一方的にトップダウン方式のみで決めていた中期経営計画や年度予算について、各部署や個人個人がそれぞれの目標を設定し、それを積み上げていくことで会社全体の目標を作成する、いわゆるボトムアップ方式を導入することが求められます。

この方法の導入は、社長一人で決めていた従来の方法に比べると現場での業務負担が増加しますし、トップダウンの数値との擦り合せも必要になるため、社内での全体調整にも時間がかかります。負荷だけを考えると面倒くさい作業にも感じられ、現場の抵抗も生じやすいです。ただ、各部署や個人個人が「自主的に」「主体的に」計画作成に関与し、その目標に向けて活動することは、結果として全体の高い成果に繋がることが正月の箱根で示されましたので、畑は違うものの、良い参考事例になると思います。


また、青学大に関しては単に目標管理の仕組みを導入しただけでなく、原監督が毎月毎月、各選手の目標と結果の相違を徹底してマネジメントしていったという点も重要な成功要因だと感じます。こちらも、中期経営計画や年度予算を期初にただ作るだけで終わりにするのではなく、作成した計画をもとに月次でしっかりと予実管理をしていく(又は必要に応じて予算修正を行う)といった、上場準備の過程で各社に求められる項目と通じるところです。


ボトムアップによる目標設定とその目標をもとにした徹底したマネジメント。上場準備で要求される2つの事項について、足元で実際に導入することを求められている上場準備企業の方々も、箱根での青学大の躍進を参考に、前向きに取り組んでみてはいかがでしょうか。


関口

2024IPO社数(予定を含む)=26*

2023IPO社数(通期)=96*

 

4月19日現在

市場別

2024

(含予定)

2023

(参考)

プライム

スタンダード

グロース

メイン-名

札幌(本則)

ネクスト-名

アンビシャス

0

3

23

0

0

1

0

2

23

66

5

1

1

0

 Qボード 0 1

合計

   27

99

 複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。

 

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2023IPO社数(通期)=96*

2022IPO社数(通期)=91*

 

市場別

2023

2022

(参考)

プライム

スタンダード

グロース

メイン-名

札幌(本則)

ネクスト-名

アンビシャス

2

23

66

5

1

1

0

3※1

142

70※3

2

0

2

1

 Qボード 1 0

合計

   99

92

 複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。

1:東証11社を含みます。

2:東証2部+JQ4社を含みます。

3:マザーズ10社を含みます。

2022IPO社数=91

2021年IPO社数=125社

 

市場別

2022

 

2021

(参考)

プライム

スタンダード

グロース

東証1

2

10

60

1

6

東証2

3

8

マザーズ

10

93

JASDAQ

メイン-名

1

2

16

名証2

0

3

ネクスト-名

セントレックス

2

0

1

Qボード

アンビシャス

0

3

合計

92

130

 複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。