2015年もあと僅かとなりました。2015年のIPO業界を振り返ってみたいと思います。
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2015年のIPO社数は合計で92社でした。(※TOKYO PRO Marketの6社を合わせると98社になります。当記事では、以下、TOKYO PRO Marketの社数は除きます)
2014年のIPO社数は77社でしたので、前年比で15社増加したことになります。
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リッチメディア、ネットマーケティング、グラフィコの3社は、上場承認後、上場日までに承認取り消しとなりました。
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超大型のIPOとして、日本郵政グループ(日本郵政とその子会社であるゆうちょ銀行、かんぽ生命保険)が11月に3社同時上場しました。初値はいずれも公募価格を上回りました。
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昨年12月にIPOしたgumiが、上場直後の今年3月に業績の下方修正(営業赤字予想)を発表し、「gumiショック」などと呼ばれました。以後、業績予想の策定根拠について上場審査の中でより慎重に確認されることになり、上場審査が厳しくなったと言われています。
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市場別ではマザーズが61社と圧倒的で、東証1部・2部で17社、JASDAQスタンダードで11社でした。今年は地方市場のセントレックス(名証)、アンビシャス(札証)、Q-Board(福証)でもIPOがありました。
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主幹事証券は野村證券が28社と首位で、SMBC日興証券が21社、みずほ証券12社、大和証券11社と続きました。(取引所公表資料の「幹事取引参加者」の記載ベース)
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監査法人は新日本が26社で首位、トーマツ23社・あずさ22社と大手3法人で全体の77%を占めました。一方で、大手3法人以外の監査法人によるIPOも21社あり、一定の存在感がありました。
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印刷会社については宝印刷47社、プロネクサス45社とほぼ同数でした。
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証券代行機関については三菱UFJ信託が52社と過半数を占めました。
2016年にIPOを予定している企業数も引き続き高水準だと聞いています。
来年もIPO市場が活況となることを期待したいです。
(関口)