上場申請時に証券取引所へ提出する書類の中に「(新規)上場申請に係る宣誓書」があります。以下、本文では「宣誓書」とし、東京証券取引所の「宣誓書」について説明します。
「宣誓書」は上場申請会社が新規上場申請に際し、東京証券取引所に対して宣誓する形式となっており、宣誓内容は概ね以下のとおりです。
1.新規上場申請及び上場審査において提出する書類には、必要となる内容を漏れなく記載してあり、かつ、記載した内容はすべて真実である。
2.前項その他関連する取引所のルールについて、違反事実が判明した場合には、それに関して取引所が行う一切の措置に異議を申し立てない。
(注)本則市場の申請書類である「Ⅱの部」冒頭には、上記内容を記載しなければなりません。
「宣誓書」の内容は決められており、東証のWebサイトから入手可能なひな型(Word形式)を用いて簡単に作成できるため、上場準備段階で話題となることほとんどありませんが、かなり重い内容です。
全く倫理観を持たないヒトであれば「宣誓書」などただの紙切れにしか見えないでしょうが、上場を目指すほどの会社の経営者であれば、「上場申請時に自分の名前でこの内容を宣誓するのだ」と考えると、少なからず緊張するのではないかと思います。
上場準備会社の経営者の方は、年初に会社の在り方を見直し、気持ちを新たにされるのと併せて、「宣誓書」の文章を読み返してみるとよいかも知れません。
(原田)