これから上場を検討するフェーズのお客様や直前前期のお客様にご縁を頂いた際、よく新しい業務システムの導入について相談を受けたり、導入の現場にご一緒したりすることがあります。また、業務フローをフローチャート化する局面でも社内のシステム構成やシステムと業務の関わりについてお聞きすることがよくあります。
ベンチャー企業の場合にはシステム専門の人材がいなかったり、いらっしゃったとしても少人数でリソースが足りなかったりすることが多いと思います。
では上場を目指すベンチャー企業は社内システムへの投資をあきらめるべきでしょうか。
ここは判断が難しいところだと思いますし慎重な判断が求められます。そんなときは周りの経営者の方々や監査法人等に意見をお聞きするのも良いかと思います。
そのうえで、社内システムの導入を決定された場合に、留意すべき点はたくさんあり、ここで記述することは割愛いたしますが、その中でも特に大切なことは、導入を機に「組織横断的に」社内業務フローの見直しを図るということだと思います。
これは簡単なことではありませんが、投資家への開示を意識した経営基盤強化を実現する上ではとても効果的な手段となります。
大企業では、業務もシステムも細分化され、ともすれば大企業病と揶揄されるような、全体最適ではなく部分最適に陥りがちな構図がよく見られます。
ベンチャー企業が上場後、大企業と伍して勝負していくためには、常に「組織横断的な」社内業務の理解・改善とそれによって生まれる連帯感・スピード感が大切ではないかと感じます。
(加藤)