【鈴木】粗製乱造の懸念

マザーズの上場基準は世界的に見ても十分緩やかになっていると言われています。例えば、

企業の成長性が説明出来れば、売上高や利益については特に実績は問いません。その為、上場審査で注意しないと粗製乱造の元になる余地が出てきます。

 

昨今、ベンチャーキャピタルの方々が活躍されるようになってきました。未上場企業にリスクマネーを供給し、成長を促進させることは極めて重要なことです。しかし、意外と上場準備に関しての知識が乏しく、無理な早めの上場を要請されることが多いと聞きます。いや、無理を言っていることに気付いていないことがあるように思います。ここに問題があります。主幹事証券会社としては、営業上ベンチャーキャピタルの意向を無視できず、無理だと思っても拒否しにくいようで、何となく準備を開始してしまいます。しかし、あってはならないことですが、申請した会社は何故か審査を潜り抜けて上場を実現してしまうこともあるのではないかと思います。正に知らぬが仏の粗製乱造です。

 

目先、準備会社は上場が出来たと喜ぶでしょう。しかし、その後苦労することになる場合があります。不適切な開示により誤った情報を流して投資家に迷惑をかけ、社内も情報収集などで混乱が生じ、世間から不名誉なレッテルが張られることになります。会社によっては、小さいながらも業種的に注目を浴び、皆からチヤホヤされて幸福の絶頂を味わいながら、あっという間に転落することもあります。

上場企業になると言うことが、投資家保護の観点から企業内容の適時開示等の要求に十分な体制で答えていくための社会的責任や義務が生じるのだと言うことを十分認識していないことがあるのだと思います。このような粗製乱造が問題企業を生み、投資家に迷惑を与え、健全な資本市場の育成を阻害することは避けなければなりません。

 

これらを防ぐ為には、業界関係者であるベンチャーキャピタル、証券会社、監査法人、IPOコンサルなどの支援者は相当の注意を払って対応しなければなりません。企業の成長性は証券会社のチェックが中心ですが、実質審査基準の中でも「企業のコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性」については証券会社だけでなく、最終的には証券取引所が適切な審査を行うことで牽制を働かせないといけません。

 

資本市場を通じて今後の経済を担う企業の育成は重要です。ここ数年はIPO社数も順調に増えていますが、社数を追う中でも粗製乱造を防止する意識は常に持ってほしいと思います。

 

鈴木

2024IPO社数(予定を含む)=26*

2023IPO社数(通期)=96*

 

4月12日現在

市場別

2024

(含予定)

2023

(参考)

プライム

スタンダード

グロース

メイン-名

札幌(本則)

ネクスト-名

アンビシャス

0

3

23

0

0

1

0

2

23

66

5

1

1

0

 Qボード 0 1

合計

   27

99

 複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。

 

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2023IPO社数(通期)=96*

2022IPO社数(通期)=91*

 

市場別

2023

2022

(参考)

プライム

スタンダード

グロース

メイン-名

札幌(本則)

ネクスト-名

アンビシャス

2

23

66

5

1

1

0

3※1

142

70※3

2

0

2

1

 Qボード 1 0

合計

   99

92

 複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。

1:東証11社を含みます。

2:東証2部+JQ4社を含みます。

3:マザーズ10社を含みます。

2022IPO社数=91

2021年IPO社数=125社

 

市場別

2022

 

2021

(参考)

プライム

スタンダード

グロース

東証1

2

10

60

1

6

東証2

3

8

マザーズ

10

93

JASDAQ

メイン-名

1

2

16

名証2

0

3

ネクスト-名

セントレックス

2

0

1

Qボード

アンビシャス

0

3

合計

92

130

 複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。