街角の紅葉も深まり、年の瀬の足音が聞こえてくる季節となりました。
少し気が早いのですがこの1年を振り返ってみますと今年は海外出張の機会が多い1年でした。最近も中国出張があり、機内の時間を利用して「なぜ、優秀な人ほど成長が止まるのか」― 何歳からでも人生を拓く7つの技法」という本を読了しました。
とても深い内容が盛りだくさんなのですが、平易な言葉づかいと実例を豊富に交えた現場が思い浮かぶような記述のスタイルなのであっという間に読めてしまいました。
この本は私が10年来購読している柴田励司さんの「人事の目」というメルマガで推薦されていたもので、空港でKindle版を購入しました(便利な世の中です)。
著者は田坂広志さんという方で、日本総研の設立に参画されたり、ダボス会議やTEDのメンバー等を歴任されたりする凄い方のようです。ただ若い頃、大学院での7年間の研究生活を過ごされるもその後大学や研究機関に就職する道がかなわず30歳の時に民間企業に就職され、その際「大学と大学院で学んだ専門知識は、営業や企画の実務を進めていくうえで、全く役に立たない」と感じられた体験や職場の同世代の同僚からは7年遅れて社会人となったという当時の劣等感を原体験として、その後「仕事を「研究」すること」で逆境を打破し、その後の華々しい活躍につなげられた経験の中での処世訓が纏められています。
具体的には「7つの壁」とその壁を乗り越えるための「7つの技法」という構成なのですが、どれも自分にとってはいろいろと気付きを与えてくれる内容でした。
この本を読んでいる最中、日産のゴーン氏の逮捕というニュースが飛び込んできました。
ゴーン氏がこの本の表題のように「優秀な人ほど成長が止ま」ってしまったのか否かは定かではありませんが、日本を代表するグローバルカンパニーでのスキャンダルということで、同社のガバナンス体制や監査体制も含め少し残念ではあります。
(加藤)