【古川】市場構造の在り方等に関する懇談会

東京証券取引所では2018年10月に「市場構造の在り方等に関する懇談会」を設置し、現物市場の市場構造を巡る諸問題やそれを踏まえた今後の在り方等の検討を開始し、第2回までの議事録が公表されています。

 

2013年1月の取引所の統合時には、混乱を避けるために、原則としてそれまでの市場構造を維持しており、現在は、市場一部、市場二部、マザーズ、JASDAQの4つの市場が存在し、市場ごとに異なる上場基準が設けられています。取引所としても、市場統合から5年が経過し、統合時から維持してきた市場構造を巡り改善すべき点が顕在化しているとの認識のもと当懇談会の設置に至ったようです。

 

市場構造の在り方を検討するにあたり取引所では、現在の市場構造を以下のように分類しています。

1.エントリー市場

 【新興企業向け市場】

  マザーズ、JASDAQ(グロース)

 【実績のある企業向け市場】

  市場二部、JASDAQ(スタンダード)

 

2.ステップアップ先の市場

  市場第一部

 

懇談会では、【新興企業向け市場】の問題点として、上場後において成長を実現するための適切な動機付けがなされていない(いわゆる上場ゴールと捉えかねられない事例が存在すること)、一方で資金ニーズが高い先行投資型企業に対して十分な投資機会を提供できていない、【実績のある企業向け市場】の問題点として、JASDAQにおいては流通株式比率の基準が求められておらず、公開性が低いまま上場が可能、等の問題点が指摘されています。ステップアップ先の市場の問題点としては、マザーズからのステップアップについては時価総額基準に関して40億円以上で上場可能であるため、マザーズ上場後、企業価値に大きな変化がないにもかかわらずステップアップが行われている、等の問題点が指摘されています。

 

懇談会自体はまだ2回のみの開催であり、現状は問題点の認識の共有等の段階で、実質的な議論はこれから深まっていくものと思われますが、議論の流れからは、エントリー市場が【新興企業向け市場】と【実績のある企業向け市場】に統合される可能性もあります。

一方上場準備の実務的な観点からは、上場申請書類が各市場においてまちまちであり(本則はⅡの部、JASDAQはJQレポート、マザーズは各種説明資料の提出が求められます)、記載様式や記載の順番、項目等も細かく違いがあるため、このあたりの様式の整理がなされると、市場変更を行う会社や、上場準備作業中に上場市場の変更を検討する会社にとっては、負担が軽減されるのではないかと思います。

 

いずれにしろ上場準備をされている会社にとっては、市場構造の変更が準備に影響を及ぼす可能性があるため、懇談会の議論を注視していきたいと思います。

 

古川

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