【桑原】制度改正に企業としてどう向き合うか

 4月は年度の切り替えにあわせて、私たちの業務や従業員の働き方に関わる制度が複数変わる時期です。2026年も例外ではなく、目立った大改正ではないものの、実務への影響を意識しておくべき変更がいくつか見られました。

 

 その一つが、自転車の交通違反に対する「交通反則通告制度(いわゆる青切符)」の導入です。信号無視や、ながらスマホなど、一定の違反について、反則金による対応が行われることになりました。

この変更自体は交通ルールの話ですが、企業実務の視点で見ると無関係とは言えません。自転車通勤を認めている場合や、業務で自転車を使用する可能性がある場合には、就業規則や通勤ルール、安全配慮との関係を一度確認しておく必要があります。事故が起きた場合の責任の所在や、社内での注意喚起の方法について、従来のままでよいかどうかを見直すきっかけにもなります。

 また、働き方に関しては、いわゆる「年収の壁」をめぐる制度運用の見直しが引き続き進んでいます。社会保険の適用範囲が整理されたことで、短時間勤務者であっても、条件によっては保険加入の対象となるケースが広がっています。

 その結果、従業員側から「今回は対象になるのか」「これまでと何が違うのか」といった質問が寄せられる場面も増えていると想定されます。

 

 こうした制度変更に対して、特に上場を目指す企業において重要になるのは、制度の内容を把握しており、企業としての対応方針と運用状況を説明できる状態にあることではないかと思います。具体的には、

 ・ 自社の雇用形態や勤務実態に照らして、影響が出る可能性を整理しているか

 ・ 社内の説明内容や案内資料が、現在の制度と大きくずれていないか

 ・ 判断に迷った場合の確認先や相談ルートが明確になっているか

といったことを押さえておく必要があります。

 

 これらの制度変更に共通しているのは、新しいルールが増えているというより、これまで当たり前としてきた社内運用が、今の制度の前提と整合しているか確認することが求められているという点です。

 上場審査の過程では、個々の制度に対して、企業としてどのように検討し運用を行っているかが確認されます。制度変更に対して一度整理を行い、自社なりの考え方を持って対応していることは、審査過程やヒアリングにおいて大きな支えになります。

 忙しい時期だからこそ、変わった制度に対して、企業として何を確認すべきかを一度棚卸ししておくことが、結果として実務の混乱を防ぐことにつながると感じています。

 

桑原

IPO状況6月12日現在

2026年IPO数(予定含む)=18社

【1社】*

2025年IPO数(通期)=66社

市場別 2026年
(予定含む)
2025年
(通期)
プライム 0 7
スタンダード 6 12
グロース 12【1】 41
メイン-名 1 1
ネクスト-名 0 3
アンビシャス 0 1
Qボード 0 1
合計 19【1】*
66

複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。また、【 】は、S-1方式による上場承認前の社数であり外数で記載しています。 

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過年度のIPO状況

2025IPO=66

 

市場別

2025

(通期)

2024

(通期)

プライム

スタンダード

グロース

メイン-

ネクスト-

アンビシャス

Qボード

7

12

41

1

3

1

1

4

13

64

1

4

1

3

合計

66

90

複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。

2024IPO(通期)=86* 

 

市場別

2024

(通期)

2023

(通期)

プライム

スタンダード

グロース

メイン-

札幌本則

ネクスト-

アンビシャス

Qボード

4

13

64

1

0

4

1

3

2

23

66

5

1

1

0

1

合計

90

99

複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。

 

2023IPO数(通期)=96* 

 

市場別

2023

(通期)

2022

(通期)

プライム

スタンダード

グロース

メイン-

札幌本則

ネクスト-

アンビシャス

Qボード

2

23

66

5

1

1

0

1

3※1

142

703

2

0

2

1

0

合計

99

92

複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。

1:東証11社を含みます。

2:東証2部+JQ4社を含みます。

3:マザーズ10社を含みます。

 

2022IPO(通期)91  

 

市場別

2022

(通期)

2021

(通期)

プライム

スタンダード

グロース

東証1

東証2

マザーズ

JASDAQ

メイン-

名証2

ネクスト-

セントレックス

アンビシャス

Qボード

2

10

60

1

3

10

1

2

0

2

0

1

0

6

8

93

16

3

1

3

合計

92

130

複数市場へ同時に上場する会社があるため、IPO社数と市場別内訳の合計は一致しない点にご注意ください。