取引所が規則として定めた「企業行動規範」をご存知でしょうか。
企業行動規範は、「反社会的勢力の排除」や「コーポレート・ガバナンスの充実に向けた取組み」など、取引所が上場会社に対して、適切な対応を求める事項をまとめた規則です。
たとえば東京証券取引所では、有価証券上場規程の中に「企業行動規範」の節を設けて「遵守すべき事項」と「望まれる事項」を列挙しています。
他の取引所も、それぞれの規則で企業行動規範を定めていますが、取引所や市場ごとの固有の事情を除き、実質的に同じ内容です。
つまり、企業行動規範は、取引所や市場の別に関わりなく、上場会社であれば守らなければならない(目指さなければならない)事項をまとめたものなのです。
このような意味で、企業行動規範は非常に重要な規則だと思います。企業行動規範に列挙された事項に共通する考え方を取り出せば、それはそのまま上場会社に求められる基本姿勢になるからです。
では、上場会社に求められる基本姿勢とは何でしょうか。
私は、「株主の権利の保護」と「市場の秩序の維持」だと思います。
そしてこの様な姿勢は、上場準備会社においても重要です。
上場準備とは、上場会社になった時のための準備です。上場審査の多くは「会社が上場後に株主の権利を保護し、市場ルールを守れるか」という観点からの審査だと考えることもできます。
上場準備作業に携わっている方も、ときどき、そっと「企業行動規範」を覗いてみてはいかがでしょうか・・・
(「企業行動規範」は、各取引所のWebサイトで閲覧することができます)
(原田)