通常の上場申請(通常申請)は、申請直前期に係る定時株主総会終了後に行われます。
日本の会社は3月末を決算日とする会社の割合が高いため、最も早い時期の上場を目指すケースでは、定時総会終了直後から上場申請をする会社が集中してしまい、上場時期も集中してしまうこととなります。
このような上場時期の集中という弊害を緩和するための制度が「予備申請」です。
予備申請は申請直前期末の3か月前から行うことができます。
審査は申請直前期の定時株主総会前に開始され、通常申請に必要な資料のドラフト等をベースに前倒しで進められます。
この場合には、正式な上場申請は定時株主総会終了後に行います。
予備申請では取引所の審査が前倒しで実施されるため、審査の過程で特に問題が認められない場合は、通常申請と比較して正式な上場申請から上場日までの日程を短縮できることができます。
予備申請をする場合には、申請書類の作成など通常申請の場合よりも早めに対応しておくことが必要となります。
(大型案件等での予備申請の利用)
上場申請会社の中には「事業規模が他社と比較して格段に大きい」等の理由により、通常よりも審査に時間がかかると予想される会社があります。
このような会社の上場申請の際には「早めに審査を開始し、審査期間に余裕を持たせる」という会社個別の事情により予備申請が利用されることがあります。
関連項目:証券会社審査と取引所審査、事前確認、エントリー、事前相談