内部統制報告制度(J-SOX)対応作業において「ロールフォワード(手続)」とは、内部統制の整備及び運用評価状況の評価手続を実施した日以降、期末日までの期間の有効性を確かめるための手続をいいます。
(監査・保証実務委員会報告第82号「財務報告に係る内部統制の監査に関する実務上の取扱い」131)
J-SOXにおいて、経営者による内部統制の評価は、期末日を評価時点として行いますが、実際に内部統制の評価を行うに当たっては、期末日において初めて評価を行うのではなく、期末日よりも早い時点で一度、内部統制の評価を実施することがあります。
評価の結果、その時点での内部統制の有効性が確認できた場合は、当該日以降、期末日までの内部統制の変更点を確認し、最終的に期末日における内部統制の有効性を確認する必要が生じます。
このような場合に、ロールフォワード手続(注)を実施する必要があります。
(注)ロールフォワード手続の手法としては、質問や関連文書の閲覧、観察等を組み合わせて実施することが考えられます。
なお、当初の内部統制の評価日から期末日までに一定以上の期間がある場合には、質問、閲覧等の手続きのみでは足りず、評価手続きの再度の実施等、追加の手続きが必要となる場合がありますので、監査人と十分協議の上、内部統制の評価スケジュールを決定する必要があります。
関連項目:内部統制報告制度(J-SOX)、(いわゆる)三点セットト、RCM(リスクコントロールマトリックス)