【原田】TOKYO PRO Marketの光と影③(上場承認前の中止) - 株式会社ラルクはIPO(株式公開、上場)を支援するコンサルティングを行っております。新規上場

【原田】TOKYO PRO Marketの光と影③(上場承認前の中止)

6月も半ばとなり、2022年も間もなく、折り返し地点にさしかかろうとしています。

2022年前半のIPO市場(TOKYO PRO Marketを除く)は、コロナ禍で市場が混乱した2020年ほどではありませんが、上場承認後の中止を決定する会社が多いように思います。

(以下、社数はラルク調べ)

 

IPO社数(TOKYO PRO Marketを除く)

年度

上場承認

a

承認取消

b

上場

c=a-b

2020

112

19

93

2021

130

5

125

2022

(注)

46

8

38

(注)2020年及び2021年は通年。2022年は610日現在(上場予定を含む)。以下同じ

 

 

一方、TOKYO PRO MarketTPM)は、上場時にファイナンスを行わない会社が多いためか、市場の混乱の影響を受けず、IPO社数を順調に伸ばしているように見えます。

 

IPO社数(TOKYO PRO Market

年度

上場申請

A

申請取下

B

上場承認

C=A-B

承認取消

D

上場

E=C-D

2020

10

0

10

0

10

2021

15

1

14

1

13

2022

12

1

11

0

11

 

 

上記の表を見てお気づきと思いますが、TPMと、それ以外では表の形式が異なります。

TPM以外の市場では、上場承認時に取引所が公表するのに対し、TPMの場合は、上場申請の時点で東京証券取引所が公表します。そのため、同じ「中止」といっても、上場承認前の中止なのか、上場承認後の中止なのか、データをとることができます。

(注)前身のTOKYO AIM時代を含め、TPMへの上場申請が公表された会社は81社あり、そのうち上場中止となったのは4社です。(承認前の中止3社。承認後1社)

 

上場承認前であろうと後であろうと中止であることに変わりありませんが、上場予定が公表された後に中止となるのは、気まずいものです。

 

上場中止になった会社のことを考えると、規則上の立て付けはともかく、心情的には、公表は他の市場と同じく、上場承認時でもよいのかな、という気がしないでもありません。

 

原田

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